2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23310143
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
有田 正規 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (10356389)
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Keywords | マススペクトル / GC/MS / データベース / フラグメンテーション |
Research Abstract |
メタボロミクス分野で頻繁に計測される、一次代謝に関与する物質の標準GC/MSスペクトルを国内外の5機関から集め、物質ごとにスペクトルを比較したライブラリを構築した。スペクトルが安定すると言われるGC/MSでも計測機器による違いがある。それを明らかにすべく、ノイズに基づくばらつきと機器によるばらつきの違いを推定した。これら比較結果を今後ウェブ上で無償公開する予定である。この情報を用いれば、国内外の研究者が標準物質を購入することなくGC/MS計測をおこなう際の大きな助けになる。また、このデータと、文献からディジタル化したピークーフラグメンテーション間の対応関係を照らし合わせることで各標準物質において特徴的と考えられるピークの同定を行った。 実測スペクトルに対するアノテーションを比較して、機関間において同定の程度にばらつきがあることを確認した。とりわけ糖はアノテーションの方針によりばらつきが大きくなる。また一部の機関しか同定していない物質もある。これらと標準スペクトルを詳細に比較検討することで全体的な同定率の向上を促すだけでなく、機関間の連携やデータ共有も促進できる。 最後にスペクトルを閲覧するためのソフトウェア開発をおこなった。別研究費で開発するMassBankシステムのフォーマットと世界標準ともいえるNISTデータベースのフォーマットは異なっている。しかし実用上はどちらも重要なため、両者を自由に閲覧・比較できるソフトウェアを開発しており、平成24年度に公開予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請書には各物質について重ねあわせたスペクトルライブラリを世界標準となっているNISTと比較し、違いを明らかにするとある。単純比較は簡単だが、その比較から有用な結果を導き出すところまで研究は進展しておらず、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
できる限り早くNISTライブラリとの比較をおこない、データを一般公開したい。
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