2011 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍細胞増殖阻害活性を有する海洋天然物の新型作用機序の解明
Project/Area Number |
23310148
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木越 英夫 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90169839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 一郎 筑波大学, 数理物質系, 助教 (20375413)
北 将樹 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (30335012)
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Keywords | アプリロニンA / オーリライド / ハテルマライド / ビセライド / アクチン関連タンパク質 / プロヒビチン / アポトーシス / アリル酸化 |
Research Abstract |
アプリロニンAについては、プローブ分子調製のために有効な修飾位置を明らかにし、蛍光プローブ、光アフィニティプローブを開発した。これらのプローブ分子は、天然物に匹敵する腫瘍細胞増殖阻害活性やアクチン脱重合活性を有しており、有効なプローブ分子を判断できた。これらの分子を用いて、アプリロニンAの標的分子を探索した結果、これまでに判明しているアクチン以外に、アクチン関連タンパク質2および3(Arp2,Arp3)がアプリロニンAと結合することが明らかとなった。これらのタンパク質は、アクチンファイバーに分岐を形成するための複合体を形成する上で重要なタンパク質であるので、アプリロニンAの強力な抗腫瘍性との関連に興味が持たれる。 オーリライドについては、その標的タンパク質がミトコンドリアタンパク質のプロヒビチンであり、オーリライドがプロヒビチンと結合することにより、本来、プロヒビチンと結合することによって安定化されているタンパク質OPA-1を不安定し、その結果、アポトーシスを引き起こすことが明らかとなった。 ハテルマライドについては、その天然誘導体であるビセライドについての合成研究を進め、Stilleカップリング反応とアリル酸化を用いる2つの合成戦略により、それぞれ基本骨格を構築した。特にアリル酸化反応を用いる戦略においては、アリル位のヒドロキシル基に連結させるアシル基の電気求引性により、アリル酸化の位置選択性を制御できることを示しており、有機合成化学的に評価されるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アプリロニンAについては、新たな標的タンパク質を発見することができており、今後の研究を展開するために重要な知見が得られている。オーリライドについては、その生物活性発現機構を解明することができた。ハテルマライド・ビセライドについては、全合成があと一息の段階に達している。
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Strategy for Future Research Activity |
ほぼ予定通り進行しており、今後もこれまでのように研究を進めていけば、研究目標が達成できると考えられる。
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Research Products
(23 results)
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[Journal Article] Aplyronines D-H from the sea hare Aplysia kurodai : isolation, structures, and cytotoxicity2012
Author(s)
Makoto Ojika, Hideo Kigoshi, Kiyotake Suenaga, Yoshifumi Imamura, Kohji Yoshikawa, Takeshi Ishigaki, Akira Sakakura, Tsuyoshi Mutou, and Kiyoyuki Yamada
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Journal Title
Tetrahedron
Volume: 68 (4)
Pages: 982-987
DOI
Peer Reviewed
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