2011 Fiscal Year Annual Research Report
低分子化合物を用いるグアニン四重鎖の検出及び結合タンパク質同定法の開発
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23310158
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
長澤 和夫 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10247223)
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Keywords | グアニン四重鎖構造 / テロメア配列 / テロメスタチン / 蛍光プローブ / G-quadruplex / ガン化学療法 |
Research Abstract |
グアニン四重鎖(G4)構造は、DNAの高次構造の1つであり、遺伝子プロモーターの約40%で形成されることが示唆されている。またG4の機能についてはほとんど明らかになっていないが、最近c-mycプロモーター領域で形成されるG4に結合するタンパク質が見いだされ、これが転写のシグナルを制御することが報告されたことから、G4は生命現象を新たな転写因子群の可能性がある。本研究では、低分子化合物を用い、新たなG4配列の検出法の確立、G4結合タンパク質の同定法の開発を目的としている。本年度は、前者の目的に対し、天然のG4リガンドの1つであるテロメスタチンの骨格を基に創製した蛍光型G4リガンドの、既知のG4配列に対するG4構造の安定可能について評価した。その結果、既知配列、および人工G4核酸(G4アプタマー)に対して選択的に相互作用し(1本鎖への選択性もあり)、かつこれらのG4構造を強力に安定化することを明らかにした。これにより、未知のG4形成配列検出への基盤を確立することができた。またこの研究過程で、光応答性のG4安定化機能を持つリガンドの開発にも成功した。当該化合物は、今後発見されると予想される未知のG4形成配列の機能を光により制御することが可能である。創薬への展開も期待できる。後者の研究課題について、テロメスタチン誘導体60TDの二量体化合物の合成に成功し、これの大環状体化に成功した。今後合成しだ化合物のG4安定可能について評価するとともに、これを用いたG4構造の可逆性を抑制し、結合タンパク質の検出法を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に実施計画を行った2点、即ち蛍光リガンドのG4安定化機能の評価、およびG4結合タンパク質を同定するための低分子リガンドの合成に成功した。次年度計画への基盤を予定通り構築できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに計画したとおり、開発した蛍光リガンドを用いて、未知のG4形成配列の探索を行う。また、結合タンパク質同定を目的として、今年度合成に成功した化合物のG4安定化能等に関する物性を評価していく。
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Research Products
(17 results)
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[Presentation] Devepolment of the Caged G-Quadruplex Ligand2011
Author(s)
Takahiro Nakamura, Keisuke Iida, Masayuki Tera, Hiroyuki Seimiya, Kazuo Shin-ya, Kazuo Nagasawa
Organizer
Third International Meeting on G-Quadruplex and G-assembly
Place of Presentation
Grand Hotel Vesuvio (Naples, Italy)
Year and Date
20110628-1202
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