2012 Fiscal Year Annual Research Report
新しい分子イメージング技術の開発に向けたルシフェリン生合成系の解明
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23310159
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大場 裕一 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (40332704)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | ルシフェリン / 生合成 / 分子イメージング / ホタル |
Research Abstract |
本研究は、ルシフェリンの生合成経路を解明し、それに関わる生合成酵素遺伝子の特定とそのバイオイメージング技術への応用を目指している。ルシフェラーゼ遺伝子を細胞に導入したイメージング技術は昔から行なわれているが、ルシフェリンは外部から注入するしかなかった。この注入操作は、ルシフェリン濃度のムラや変化を伴い、また注入操作自体が細胞への影響を与えてしまう恐れがあった。そのため、せっかく蛍光イメージングの欠点である紫外線照射をしなくて済むにも関わらず、発光イメージングは完成した技術とは言えなかった。 今年度は、ヘイケボタルの人工飼育法の改善により、ようやく実験材料の安定かつ大量供給が可能となり、研究が大きく進展した。とりわけ、ヘイケボタルがベンゾキノン(もしくはハイドロキノン)の代わりにアルブチン(ハイドロキノンにグルコースが1分子付加した低毒性型物質)を保持していることがわかった。これは、ベンゾキノンやハイドロキノンといった毒性の高い物質が本当に生体内での生合成に利用されているのかという申請者の疑問に答えるものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヘイケボタルの飼育に関して、改善が見られたため遅れ気味であった研究が追いついた。具体的には、終齢幼虫の上陸(蛹化)のタイミングが正確に見極められるようになり、そのため成虫羽化率が格段に良くなった。実験には生体を用いるので、成虫の安定供給が鍵となる。
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Strategy for Future Research Activity |
ヘイケボタルの飼育法改善により実験が自由に行なえるようになったので、ここからは一気にルシフェリン生合成の解明を目指す。具体的には、生合成基質(とくに生体内での状態)の特定と、生合成プロセス(とくにベンゾチアゾール環の環化メカニズムや中間体の特定)の解明を進める。
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Research Products
(2 results)