2011 Fiscal Year Annual Research Report
RNAモジュール工学によるリボスイッチ(RNAスイッチ)の機能解析と高次人工制御
Project/Area Number |
23310161
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井川 善也 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (70281087)
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Keywords | リボスイッチ / RNA / モジュール工学 / ケミカルバイオロジー / リボザイム / シンセフィック・バイオロジー / 合成生物学 |
Research Abstract |
近年見いだされたRNA分子スイッチ(リボスイッチ)は、基礎生物学に加え、創薬やケミカルバイオロジー等への幅広い展開が期待されている。その制御は小分子リガンドが誘起するRNA構造変化により発現すると考えられるが未知の部分が多い。申請者は「RNA酵素」研究で得た成果をもとにRNAナノバイオ工学の新手法(RNAモジュール工学)を展開している。本研究ではRNAモジュール工学を、RNAスイッチ研究に展開し、「天然リボスイッチの機能発現機構の解明」、および「複数の入力信号による高次制御RNAスイッチへの人工改変」を遂行する。本研究を構成する3つ課題と、H23年度の成果を以下に記す。 1)構造モジュールを単位とするリボスイッチの構造-機能相関の解明 「GNRA/レセプターユニット」を有するc-diGMPリボスイッチに関して、機能発現の構造基盤を「RNA構造モジュール」の視点から研究した。同ユニットの変異体を系統的に作成し、大腸菌でのin vivoレポータ実験から、同ユニットがリボスイッチのステムの安定性を制御している事を見いだした。 2)RNAモジュール工学による人工リボスイッチ/アプタマーの創製 「モジュール工学」を用いて、アロステリック機能を持つ抗RNAループ・アプタマー創製を行い、人工低分子RNAループに対するアロステリック型アプタマーを進化工学により取得した。 3)RNAモジュール工学による天然リボスイッチの高次人工制御 課題1で研究したc-diGMPリボスイッチを、分子デザインを活用して、高次人工制御リボスイッチへと改変した。具体的にはリボスイッチの安定性を規定する「GNRA/レセプターユニット」を「低分子テオフィリンを認識するアプタマーユニット」で置き換え、c-diGMPとテオフィリンに応答して遺伝子発現がONになる「AND」型ロジックゲートのプロトタイプの構築に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の実施計画に記載した3つの課題について、おおむね予定通り進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書の実施計画に記載した2年目以降の実施計画に従い、研究計画を遂行する。
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