2012 Fiscal Year Annual Research Report
RNAモジュール工学によるリボスイッチ(RNAスイッチ)の機能解析と高次人工制御
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23310161
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井川 善也 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70281087)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | リボスイッチ / RNA / モジュール工学 / ケミカルバイオロジー / リボザイム / シンセティック・バイオロジー / 合成生物学 |
Research Abstract |
近年見いだされたRNA分子スイッチ(リボスイッチ)は、基礎生物学に加え、創薬やケミカルバイオロジー等への幅広い展開が期待されている。その制御は小分子リガンドが誘起するRNA構造変化により発現すると考えられるが未知の部分が多い。申請者は「RNA酵素」研究で得た成果をもとにRNAナノバイオ工学の新手法(RNAモジュール工学)を展開している。本研究ではRNAモジュール工学を、RNAスイッチ研究に展開し、「天然リボスイッチの機能発現機構の解明」、および「複数の入力信号による高次制御RNAスイッチへの人工改変」を遂行する。本研究を構成する3つ課題と、H24年度の成果を以下に記す。1)構造モジュールを単位とするリボスイッチの構造-機能相関の解明:「GNRA/レセプターユニット」を有するc-diGMPリボスイッチに関して、機能発現の構造基盤を「RNA構造モジュール」の視点から研究した。同リボスイッチの組み込まれた5’非翻訳領域の変異体を系統的に作成し、大腸菌でのin vivoレポータ実験から、同領域がモジュール的構成による遺伝子発現を制御している事を見いだした。2)RNAモジュール工学による人工リボスイッチ/アプタマーの創製:H23年度に「モジュール工学」を用いて人工低分子RNAループに対するアロステリック型アプタマーを進化工学により取得した。今年度はその分子認識特性について詳細に検討し、高い選択性と親和性を備える事を見いだした。3)RNAモジュール工学による天然リボスイッチの高次人工制御:H23年度に成功したc-diGMPの人工制御に続き、今年度は課題2で取得した人工アプタマーを、天然のグアノシン認識RNAスイッチであるグループIイントロンに組み込んだ。得られた人工RNAスイッチは、天然型をしのぐ、RNAル-プ依存性(強いアロステリック特性)を示すことを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の実施計画に記載した3つの課題について、おおむね予定通り進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書の実施計画に記載した3年目(最終年度)の実施計画に従い、研究計画を遂行する。
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