2011 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア原産観賞植物の栽培化と野生化に関する保全生物学的研究
Project/Area Number |
23310168
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
山口 裕文 東京農業大学, 農学部, 教授 (20112542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
副島 顕子 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (00244674)
梅本 信也 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (60213500)
保田 謙太郎 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (00549032)
大野 朋子 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (10420746)
三村 真紀子 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 任期付助教 (60451689)
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Keywords | 生物多様性 / 生物活用 / 栽培化症候 / 地域外遺伝子 / 福祉農学 |
Research Abstract |
東アジア原産の観賞植物の栽培化と伝播および野生化の現象と人間活動との関係の理解から生活に活用されている生物資源の多様性保全を考察するために、東アジア原産観賞植物のインベントリーを作成し生態系影響に関連する情報を集約し、モデルとして選んだ種について園芸化症候(雌雄機能の変更、葉形および斑入り変異など)の実態および人為的移動を標識する遺伝的変異の探索によって園芸植物の生態系影響の評価と管理技術の策定に必要な基盤情報を得ることを目的とした。以下の項目について研究をすすめ、チャを含む農作物の近縁野生種における知見と併せて植物の栽培化現象の一般化をはかって植物の福祉的利用と活用における資源保全のあり方を展望した。 ○研究計画会議および申間報告会を実施し、分担者の相互の研究内容を調整しつつ、招待講演と併せて討論した。○東アジア原産観賞植物のリストを作成し、繁殖特性、栽培化・園芸化特徴、野生化の事実および交雑品種における潜在的地域外遺伝子の保有可能性を文献調査した。○立地の異なる対象地において東アジア原産観賞植物の活用の実態を調査し、園芸化症候の程度を調査した。○ヒサカキ、タカサゴユリなど半栽培植物の実態を民族植物学的に調査した。○野生化とコンタミネーション可能性を解析する対象地を選定し、予備的調査を行った。観賞タケ類およびツバキ、アオキを中心に野生化の現状を調査し、栽培野生間自然交雑を検証した。○栽培化関連形質のアロメトリー解析のための素材を収集し、形態調査の方法を検討した。○モデルとして選定した植物を各地より採集し遺伝的多様性の評価:地域内移入種と在来種および半栽培植物について葉緑体DNAおよび核DNA領域およびアロザイムの多型解析を行い、標的部位を探索した。 得られた結果の一般性を論文と著書において議論し、『バイオセラピー入門』(印刷中)において関連する概念を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地調査、文献調査および総合討論は、ほぼ計画どおり進んでいるが、分子解析については試料の収集にとどまり、組織的評価には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
分担者の計画を実践し、実効的なデータを確保したい。
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Research Products
(12 results)