2012 Fiscal Year Annual Research Report
北海道多文化共生におけるサハリンからの移住者の役割
Project/Area Number |
23310172
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
パイチャゼ スヴェトラナ 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 研究員 (10552664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 督 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (30312408)
兎内 勇津流 北海道大学, スラブ研究センター, 准教授 (50271672)
WOLFF David 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (60435948)
P・A SEATON 北海道大学, 留学生センター, 教授 (70400025)
玄 武岩 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (80376607)
宮下 雅年 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (90166174)
中地 美枝 北海道大学, スラブ研究センター, 研究員 (90567067)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 帰国者 / 東アジアの国境 / 移民集団形成 / 移民教育 |
Research Abstract |
2013年2月12日・13日北海道大学メディアコミュニケーション研究院にて“Migrants and Returnees in Eurasia.”という国際シンポジウムを行いました。このシンポジウムは今年の研究実績のまとめになった。 このシンポジウムは、第二次世界大戦以降、現在までのユーラシア諸国における移民・再移民のプロセスおよび国境が変更された結果として生じた新しいエスニック集団の形成を検討するものでした。また、こうしたエスニック集団のアイデンティティ、言語継承や言語教育などの問題が討論されました。 1日目は、ユーラシアにおける移民集団の形成過程の問題を明らかにすることにおいて、①中国ハルビンからロシアに帰国者の歴史(1930年~1945年),②ロシアでのドイツ系エスニックグループの形成と現在のドイツへの帰国(またはロシアへの再帰国),第二次世界大戦後の極東における人口移動:樺太から日本へ帰国,中央アジアから極東地方への帰国及び「故郷」の再生のプロセスを検討しました。また、最後は、二日目への架け橋として、以上のように形成されたエスニックグループの「故郷」のイメージや新しい故郷(帰国先)での統合の問題を討論しました。 2日目の主なテーマは移民教育でした。発表ではホスト社会(ドイツ、日本、韓国)の言語と母語の学習の必要性及びそれぞれの役割を検討しました。帰国者を含めて、移民のホスト社会への統合と独自のアイデンティティ維持の問題は理論的なレベルで議論された。その後、母語継承の学校の事例(韓国・ソウル、日本・札幌)と外国人や帰国者を多く受け入れている高校の事例を聞き、理論と実践を合わせて討論しました。 シンポジウム全体的に科研の二つの大きなテーマ「歴史」(帰国者の過去)と「教育」(帰国者の未来)を結ぶことが出来ました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.北海道に在留しているサハリン帰国者に対する調査を順調に進んでいる 2.北海道・サハリンの調査をBRITの国際シンポジウムに発表した(福岡、2012年11月)3.北海道大学メディアコミュニケーション研究院にて国際シンポジウムを行い、研究の全体結果を発表し、今後の研究推進のため海外の研究者とネットワークが出来た 4.研究の結果の出版の準備中である(Routledge,Novosibirsk)。
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Strategy for Future Research Activity |
今年はプロジェクトの3年目になり、研究成果をまとめる年になる。今年、最後の調査、インタビューをし、出版に向けて研究をまとめる。具体的に次のように研究を進める。 ①6月~8月サハリン(ロシア)アンサン(韓国)に実施調査に行く、②データ(インタビューなどの資料)の日本語訳を終える。③イギリスの出版社(Routledge)で出版する予定の図書を執筆を終える。(9月まで)、④9月にロシアノボシビルスクへ訪問し、ロシア語での出版の準備をする。(2014年に出版する予定)、⑤第2回の国際シンポジウムを行い、今回の研究成果をまとめ、これからの研究計画を立てる。(10月)
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Research Products
(15 results)