2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23310186
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
赤堀 雅幸 上智大学, 外国語学部, 教授 (20270530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東長 靖 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (70217462)
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Keywords | 国際研究者交流 / 多国籍 / 東洋史 / 文化人類学 / イスラーム / スーフィズム / 聖者 / 宗教 |
Research Abstract |
本研究は、近現代のスーフィズム・聖者信仰複合について、思想研究、歴史学、人類学の専門家による現地調査を推進し、それら専門家の議論を通して相互了解を深めようとするものである。研究の初年度である今年度は下記の取り組みを行った。 1.研究組織:赤堀と東長を中心とする研究組織を立ち上げ、事務局を上智大学に置くとともに相互の連絡が密となる態勢を整えた。 2.現地単独調査:東長が8~9月にトルコ、パキスタンで、赤堀が2月に米国で調査を実施した他、連携研究者1名を12月にインド、バングラデシュ、別に1名を平成24年3月にモロッコに派遣してスーフィズムおよび聖者信伽の思想および実践について調査を行った。 3.現地共同調査:平成24年3月に赤堀と連携研究者2名が、インドネシアのジャワ島においてワリ・ソンゴ(9聖人)廟における聖者信仰について調査を行った。 4.研究会等:6月、11月および平成24年1月に上智大学で研究会を開催し、9月に上智大学軽井沢セミナーハウスで2日間の研究合宿を行った。また、7月に京都大学、平成24年2月に上智大学で、若手の研究協力者の研究発表を中心とした英語による国際ワークショップを開催した。 5.成果刊行:若手研究協力者2名を中心に、近年の宗教観光に関する文献目録と宗教学分野でのスーフィズム研究に関する文献目録を編み、上智大学イスラーム研究センターから刊行した。 6.文献収集:国内所蔵のない関連文献を収集した。当初、設備備品として購入の予定であったが、事務手続き上の都合から一貫して消耗品として購入、その大部分を平成24年度以降に順次、上智大学および京都大学の図書館に寄贈し、若手研究者等の使用の便を図、ることとした。 共同研究としての基本的な形は整えられたので、来年度以降はこれを継続発展させることとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災により助成総額の確定に時間がかかったことや、研究分担者、連携研究者の勤務先用務等の都合により、現地調査のための出張者、出張時期について当初予定と一部異なる点はあったが、全体としては予定通りの研究活動を実施し、さらにはインドネシアにおける共同調査報告書の刊行や成果の社会還元としての概説書出版などに向けて具体的に動き出すなど、一部では予定を上回る進捗をみせることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画調書において述べた研究の構想からは若干規模は縮小したものの、内容的には同様に充実した研究活動を初年度から展開できており、これに従って次年度以降も研究を継続する。現地調査の充実に加え、成果の口頭発表と刊行については、先行する共同研究の成果も含めて、とくに力を入れていきたい。平成25年予定の中東研究世界大会での部会発表、英文論集と日本語による概説書刊行がそうした活動の中心となる予定である。また、近年、若手研究者の関心がイスラームの政治的側面に偏りがちであることから、より多くの若手研究協力者に共同研究への参加を促し、貢献を引き出すべく努め、そのためのウェブサイトなど広報面の充実も図ることとしたい。
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Research Products
(26 results)