2013 Fiscal Year Annual Research Report
ベルクソン『道徳と宗教の二源泉』の総合的研究-国際協働による西洋哲学研究の再構築
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23320007
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
安孫子 信 法政大学, 文学部, 教授 (70212537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 靖彦 京都大学, 文学研究科, 准教授 (20303795)
合田 正人 明治大学, 文学部, 教授 (60170445)
檜垣 立哉 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (70242071)
藤田 尚志 九州産業大学, 国際文化学部, 講師 (80552207)
金森 修 東京大学, 教育学研究院, 教授 (90192541)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国際協働研究 / 西洋哲学 / フランス哲学 / 19世紀哲学 / ベルクソン / 道徳 / 宗教 / 日本思想 |
Research Abstract |
アンリ・ベルクソン(1859-1941)の最後の主著である『道徳と宗教のニ源泉』(1932)が今日のわれわれに発する独自のメッセージを取り出す作業を,国際協働の枠組みで,過去2年間,まずは①<アクチュアリティ>に定位して(平成23年度テーマ「ベルクソンと災厄」),そして次には②<過去>に定位して(平成24年度テーマ「ベルクソンと19世紀フランス哲学」)行ってきた.研究最終年の平成25年度には,これまでの作業の集成を,③<日本>に定位して,国際協働に新たな方向性を与えつつ行った. すなわち,当年度の最大の研究集会(テーマ「最終的考察」)を,科研メンバーがフランス,パリに赴き,地元フランスからはもちろんのこと,ドイツやオーストラリア,中国からも主要な研究者を同地に招聘して,国際大学都市の日本館で3日間にわたって実施した.われわれ自身も行ってきたように,日本人の西洋哲学共同研究が西洋人研究者をゲストとして巻き込んで行われることはめずらしいことではないが,その研究が西洋の土俵に敢えて乗り込んで行われるというのはまだそれほどあることではない.その際に実行されたのは『二源泉』読解のさらなる徹底であって,とくに最初の2日間で,(a)現代諸思想に照らしての同書の政治哲学上のアクチュアリティの再確認,また,(b)先立つ3主著に照らしての同書の理論的独立性の再確認,さらに,(c)19世紀思想との関係で同書が時代と思想的水脈を多々共有することの再確認が行われた.そして続く3日目には,(d)ベルクソン思想とくに『二源泉』の日本における受容の再確認が,西田幾多郎と田辺元の場合に即して行われた.この作業はわれわれの科研研究そのものをも<日本>におけるベルクソン受容の伝統に位置づけるものであって,全体として<日本>を学術的に西洋に再認識させ,国際協働を画期的に深化させる成果を得たと確信している.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(41 results)