2011 Fiscal Year Annual Research Report
ルーラルにおける住民の死生観と終末期療養ニーズの変容に関する総合的研究
Project/Area Number |
23320016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
浅見 洋 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (00132598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸岡 了介 島根大学, 教育学部, 准教授 (90466516)
伊藤 智子 島根県立大学, 看護学部, 准教授 (70413490)
中村 順子 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部, 准教授 (30469423)
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Keywords | 宗教と医療 / ルーラル / 死生観 / 終末期療養場所 |
Research Abstract |
現代日本のルーラルにおける終末期療養意識の実態と変容を明らかにするために、高齢化率が進んだ日本海側の過疎地域3箇所(石川県白山麓地域、島根県江津地域、秋田県阿仁地域)で死生観と終末期療養に関する意識調査」を横断的に実施した。調査方法は、住民台帳から層化抽出法によって抽出した3地域在住の40歳~70歳代の男女各200人(各地域計800人、総数2400人)を対象とした自記式質問紙による郵送調査である。 死生観調査の実施期間は2011年7月~9,月、回収率41.4%であった。「自分が療養したい場所」は自宅37.7%、病院(ホスピス・緩和ケア病棟)31.1%、病院(一般病棟)13.0%、福祉施設4.3%、その他13.4%であり、「家族を療養させたい場所」は自宅33.9%、病院(ホスピス・緩和ケア病棟)29.9%、病院(一般病棟)14.3%、福祉施設6.6%、その他15.3%であった。病院(ホスピス・緩和ケア病棟)と病院(一般病棟)を併せると、「自分が療養したい場所」、「家族を療養させたい場所」ともに「自宅」希望を上回った。また、石川県白山麓地域の調査では。「自分が療養したい場所」は自宅34.7%、病院(ホスピス・緩和ケア病棟)36.2%、「家族を療養させたい場所」は自宅31.8%、病院(ホスピス・緩和ケア病棟)36.8%であり、病院(ホスピス・緩和ケア病棟)の希望者が自宅の希望者を上回った。 その結果、現代日本のルーラルでは家族、地域の衰退に伴って広範囲に自宅での終末期療養希望者が減少している実態が明らかになった。また、今回の調査地域がいずれもホスピス・緩和ケア病棟をもつ病院をもたない過疎地域であることを考えると、ルーラルの70%近い住民が希望する自宅と病院(ホスピス・緩和ケア病棟)での療養は極めて困難状況であり、終末期療養の場所に関する希望と現実のギャップがますます大きくなっていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り3地区での調査研究は順調に行われ、各地区毎の結果発表を日本在宅ケア学会でおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は3地区の横断的研究、比較研究を行う実施する予定であり、併せて現代の死生観変容に関する文献的な研究、補完的な調査研究を実施する予定である。現在の所、計画調書に書いた研究丙容の変更、ないしは遂行上の簡題点はない。
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