2011 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアに展開した儒教文化の視覚イメージに関する復元研究
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23320041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柴田 良貴 筑波大学, 芸術系, 教授 (90178913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 浩 筑波大学, 芸術系, 准教授 (60241808)
菅野 智明 筑波大学, 芸術系, 准教授 (90272088)
藤田 志朗 筑波大学, 芸術系, 教授 (10181356)
程塚 敏明 筑波大学, 芸術系, 准教授 (40292544)
守屋 正彦 筑波大学, 芸術系, 教授 (90272187)
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Keywords | 孔子像 / 脱括乾漆 / 彩色 / 3D映像 / 復元制作 / 孔子廟堂碑 / 湯島聖堂 / 国際会議 |
Research Abstract |
当該年度は5ケ年の研究期間の初年度であり本研究課題の目的・計画を更に明確にし、予備的復元研究としての実制作を試みた。既に柴田良貴は、東京湯島聖堂大成殿内の孔子像について平成17年より20年にかけて基盤研究(C)により復元を終えているが、これはブロンズ鋳造によるもので、東アジアに展開する多くの孔子像のような彩色を行っていない。本年は、上記湯島聖堂の復元孔子像の同型により脱活乾漆による造像を行い細部修正の上、これに予行的に彩色を施すこととした。程塚敏明、藤田志朗により色相や儒服の絵柄・文様について研究を進めており、実際に乾漆断片に彩色の試行を行った。又、木村浩により同孔子像を白色の石膏像に置き換え、これを3D映像とする準備段階にある。実際の彩色は、これらの平行研究により完結し、平成24年度には脱括乾漆による彩色孔子座像の復元が予備的に完了する。今後も東アジアにおける多彩な孔子像のデータ収集に努め、特に日本での「かたち」を推定し最終年に向け等身の彩色孔子倚像の復元を完了し、公開することになる。菅野智明は、唐・虞世南の撰文・書丹による「孔子廟堂碑」について、残本(孤本)として伝わる原石拓を手がかりに、後世の翻刻拓が原石拓の状態であったら、どのような刻風(書風)となるか、その想定方法について考察した。又本年度は、これまでの分担者の研究成果を守屋正彦主催の「東アジアにおける儒教の展開についての国際会議」(平成23年8月5日開催)において成果物のパネル展示・復元制作等を公開し、「儒教美術の総合的論文集」(平成24年3月31日発行)に投稿掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
湯島聖堂の復元孔子像を取り上げ同型の脱括乾漆像がほぼ完成に近付いている。平行して往時の彩色について研究を進め、その彩色方法の実験に着手することができた。これの電子化による立体画像データの準備も概ね順調に進展している。分担者全員で参加した国際学会でのパネル展示等でも成果を修めた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、最終的に想定復元制作される等身の彩色孔子僑像(脱括乾漆像)に至る重要な予備的制作を順調に進展することができた。今後は更に分担者それぞれの課題を共有しながら多くのデータの集約に努める必要がある。次年度は、台湾における儒教美術の視覚イメージ、その礼拝の「かたち」を実地調査する予定である。
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Research Products
(6 results)