2012 Fiscal Year Annual Research Report
八重山諸島における音楽文化の伝播 ―台湾との関係を中心に―
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23320048
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
岡部 芳広 相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (50582152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 正浩 愛知淑徳大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (80036392)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2015-03-31
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Keywords | 民俗芸能 / 台湾移民 / 人的移動 |
Research Abstract |
24年度は、石垣島における台湾移民コミュニティの音楽行動についての調査研究と、島嶼における芸能調査をおこなった。 石垣島の台湾移民コミュニティを代表する組織として、「琉球華僑総会八重山分会」がある。この団体は、「台友会」という台湾移民と石垣島民との融和を目的とした団体が発展的に改組されたものであり、運営的行事や親睦的行事、そして宗教的行事をおこなっている。その中でももっとも重要とされるのが、旧暦の8月15日におこなわれる「土地公祭」であり、その調査をおこなおうとしたが、台風により中止され、インタビューのみとなった。新暦の10月10日は中華民国の建国へのきっかけとなった辛亥革命の発端である武昌蜂起を記念した「雙十節」の行事がおこなわれている。この行事は親睦的な意味合いが強く、宴会を行い、いくつかの出し物を楽しむというものである。その中に婦人部の女性たちが踊る演目があり、それに注目をした。台湾で広く歌われている先住民を歌った民謡、日本の植民地時代の歌謡曲、戦後の日本の歌謡曲などに、日本舞踊教師や八重山舞踊教師が振付をおこない、チャイナドレスや台湾先住民の衣装で踊る、というクロスカルチュラルな音楽行動であるといえる。この踊り手や分会幹部に聞き取りをおこない、この踊りに付された「機能」について検討をすすめているが、聞き取り調査は続行中である。3月には「清明祭」の調査もおこない、分会の活動を通して、彼らの「台湾人意識」の保持への意欲について検討中である。 島嶼における芸能調査は、南大東島についておこない、他の島とも違う特殊性などについて考察の機会を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね計画通りに進捗している。 昨年度の研究成果を踏まえた調査をおこなうことができ、さらに調査が必要な課題が明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、八重山地方の主な島での芸能調査をおこない、併せて台湾において調査をすすめる。台湾での調査がまだ実施できておらず、次年度の課題である。 また、石垣島の台湾移民社会についてはさらに調査を進める予定である。
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Research Products
(1 results)