2013 Fiscal Year Annual Research Report
日本古典籍の統合的書誌データベースの公開と活用の研究
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23320051
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
塩村 耕 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (80178855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 泰郎 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (60193009)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 近世文学 / 図書館情報学 |
Research Abstract |
1)書誌データベース(以下、DBと略記)の作成と公開:前近代日本の豊かな書物文化の実態を世界に知らせ、新たな時代の社会と学界の要請に応えうる、詳細な古典籍〈記述的〉書誌DBの作成に没頭した。具体的には西尾市岩瀬文庫の書誌DBを、約1万9千2百点(タイトル数)まで完成させ、岩瀬文庫のホームページより公開した(岩瀬文庫の全古典籍数は約2万点と推定される)。名古屋大学附属図書館の「古典籍内容記述的DB」については、本年度は長期間に渉る図書館の改修工事のため着手できなかった。 2)統合的DBへの進展:岩瀬文庫の書誌DBを統合的DBに発展させるために、本年度も重要資料20数点を選び、全文テキストの作成を継続した。また、重要資料を選定し、筆蹟画像データを作成した。 3)研究事業について社会への説明と貢献:本年度の岩瀬文庫の調査の過程で得られた新見を、岩瀬文庫を支えてきた市民に向けて報告公開する展示「こんな本があった!岩瀬文庫平成悉皆調査中間報告展11」を開催し、併せて図録を編纂刊行し、講演会を行った。主な新見として、明治初年の士族、斎藤尊光という従来無名の著述家による旧名古屋藩関係の著作の稿本群、『〈新板〉東叡山之図』『東本願寺の絵図』など古版一枚刷資料群、稀代の愛書家大名で夭折した越後新発田藩第九代溝口直侯自筆の半自叙伝的筆記『修徳院書籍冊数改書並由来書』、中国元版の『周易伝義附録』などが挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
校務以外のほぼすべての時間を書誌DBの作成に没頭した結果、おおむね順調に研究計画を遂行した。
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Strategy for Future Research Activity |
・前年度と同様、主に3つの分野について予定通り研究計画を推進する。 ・特に2)の「統合的DB」への進展のためのデータ作りをさらに進める。また、すでに作成した全文テキストデータ及び代表的文人の筆蹟画像データを書誌データに連結して公開を開始する。
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Research Products
(4 results)