2011 Fiscal Year Annual Research Report
金剛寺所蔵典籍の集約的調査と研究-聖教の形成と伝播把握を基軸として
Project/Area Number |
23320054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
後藤 昭雄 成城大学, 文芸学部, 教授 (80022284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 浩 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (60193075)
赤尾 栄慶 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部, 上席研究員 (20175764)
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Keywords | 金剛寺 / 寺院資料 / 聖教 |
Research Abstract |
平成23年度の計画として、(1)前科研までの研究成果の検討と統合、(2)重点調査書籍の確定、調査・読解、(3)貴重典籍の調査、(4)重要聖教類識語のデータベース化、(5)関連寺院の文献研究との相関的研究という五つの柱を設定したが、それぞれについての調査研究の成果は以下のとおりである。 (1)本科研の調査研究の柱としている、メンバー全員が金剛寺に出張して行う毎月の原本調査において、「棒目」(目録稿)を原本とつきあわせて確認し、補訂を加えるという作業を行った。本年度は、米倉聖教を除く全体55函のうち14函、点数にして2500点あまり、約30%の聖教について、作業を完了した。(2)「善本解題図録」の作成を念頭において、その対象書目の選定作業を行った。また、前述の(1)の作業の中で新たに重点調査書籍を見いだしていくという作業も加味して行った。(3)『延喜式』『宝篋印陀羅尼経』について基本的な書誌調査を行い、今後の本格的調査研究に備えて専門業者に委託して写真撮影を行った。(4)『金剛寺古記』『河内長野市史』など既刊の識語集成の本文を電子化し、その一部を現在の整理番号と照合した。(5)2月に研究分担者・赤尾栄慶の所属先である京都国立博物館にて行った研究会で、連携研究者・宇都宮啓吾及び山崎淳がその研究成果を発表した。宇都宮「訓点資料から見た智積院新文庫聖教の一側面」は、智積院の根来寺関連聖教を中心に、聖教の書写・伝持・流布を巡る問題を取り上げ、和泉国家原寺を経由して智積院に伝来した金剛寺の禅恵写本にも論及した。山崎「地蔵寺所蔵文献調査中間報告-他寺院との関連も含めて-」は、金剛寺と同じ河内長野市内の地蔵寺の文献について、金剛寺を含む他寺院との関連を論じた。また、研究協力者・箕浦尚美は、「聖教の書写-金剛寺聖教の奥書について-」の題目で研究発表を行い、金剛寺の同文奥書を持つ聖教を比較し、聖教の書写と複製について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「9.研究実績の概要」に記述したとおりである。ただし、研究部会の開催など一部計画どおりに実施できなかった点もある。よって上記のように自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従って推進する。遅れの見られる側面については達成できるよう努めたい。
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Research Products
(3 results)