2011 Fiscal Year Annual Research Report
ロシア文化論の研究-制度化の諸相と脱中心化の可能性
Project/Area Number |
23320065
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
野中 進 埼玉大学, 教養学部, 准教授 (60301090)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貝澤 哉 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30247267)
中村 唯史 山形大学, 人文学部, 教授 (20250962)
長谷川 章 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (60250867)
井上 まどか 清泉女子大学, 文学部, 講師 (70468619)
グレチュコ ヴァレリー 神戸大学, 国際文化学部, 講師 (50437456)
|
Keywords | ロシア / 文化 / 文学 |
Research Abstract |
平成23年度は、研究プロジェクトの初年度ということもあり、各自の研究活動を高めつつ、共同作業の体制を固めることに力を注いだ。その結果として、二冊の論集を出版することができた。とくに野中(代表者)、井上(分担者)、グレチュコ(分担者)が共編者に加わった『ロシア文化の方舟』(東洋書店、2011年12月)はソ連崩壊20年を契機に、現代ロシア文化のさまざまな領域について若手・中堅の研究者の力を結集した結果、成ったものであり、各紙・雑誌で紹介された。また、野中(代表者)、中村(分担者)の共編になる『今、ソ連文学を読み直すとは』は日本ロシア学会での同名のパネルの記録を冊子化したものであり、ISBN取得の上、国内の主要図書館に送ることで、研究成果のアウトリーチの活性化をはかった取り組みである。 申請書で述べられていた「東アジアにおけるロシア文学・文化研究者のネットワーク作り」の実施として、上智大学の村田真一教授との共催で、国際セミナー"The Evolution of Russian Literary Theory of the Twentieth Century : System,Periphery and Grotesque"を開催した(於上智大学、2012年1月28日)。これには、ウクライナからの研究者三名(村田教授の招へいによる)に加え、韓国から本プロジェクトの海外研究協力者であるキム・スフワン准教授(韓国外国語大学)、ユン・ユンスン准教授(慶北国立大学)を招いた。日本の若手・中堅研究者も積極的に招き、若手・中堅層における研究ネットワークづくりに資することができたと考えられる。 全体として、初年度としては体制作り、研究成果も順調に進められたと評価されるだろう。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果が、共編著2冊、論文7本(うち査読有2本)、学会報告5本、国際セミナー開催1件、と順調に計画を実施しているものと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策について、当初の計画から大きな変更はない。平成24年度について言えば、すでに5月12日にロシア教育アカデミー教授ボリス・ラーニン氏を招いての講演会(於早稲田大学)、また5月26日には20世紀ロシア文学に関する国際セミナー開催を予定している(於上智大学)。8月24-26日に野中(代表者)とグレチュコ(分担者)がロシアで開催される国際学会に出席することを予定しており、そのための準備を進めている。また、平成24年度から「最新の研究」に関する情報交換的勉強会の開催を予定しており、若手育成・研究交流にもいっそうの力を入れていくつもりである。
|