2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23320066
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中地 義和 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (50188942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 浩一郎 聖心女子大学, 文学部, 講師 (20514574)
月村 辰雄 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (50143342)
本田 貴久 中央大学, 経済学部, 准教授 (50610292)
深沢 克己 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (60199156)
野崎 歓 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (60218310)
MARIANNE SIMON・O 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (70447457)
新田 昌英 東京大学, 人文社会系研究科, 助教 (70634559)
塚本 昌則 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (90242081)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歴史意識 / 戦争 / 記憶 / 内面化 / 自伝 / 虚構化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終年度である平成26年度は、当初の研究目的と年度別計画に照らして、ネルヴァル、ボードレール、ランボー、ヴァレリー、サルトルらを中心に、昨年度までやり残していた作業を進めた。ボードレールについては研究代表者が、その散文詩を支える独特の「憐憫の詩学」のなかに歴史意識がいかに関与しているかについてパリのシンポジウムで発表した。また、研究分担者の一人がネルヴァルにおける歴史と政治の関わりについて、サイードの「オリエンタリスム」の観念を批判的に援用しながら、パリの別のシンポジウムで研究成果を発表した。他方、本研究の枠でジュネーヴ大学のローラン・ジェニー教授を講師として招き、第二次世界大戦に従軍したサルトルをめぐる講演を開催、それをベースに本研究関係者との議論を通じて、20世紀中葉を代表するこの大作家・左翼知識人と戦争との関わりをめぐる認識を深めた。またパリ第三大学のドミニック・コンブ教授を招聘し、19世紀中葉の詩人たちの歴史意識と詩学との関わりをめぐる研究交流を行った。 2014年は第一次世界大戦勃発から百年目にあたる年で、フランスでは様々な記念行事の一環として、この最初の近代戦争、最初の国家総力戦、敵を殺したことはおろか銃撃の経験すらないままに大勢の兵士が死んでいった奇妙で非人間的な戦争を、作家たちがいかに生きたか、またそれをどう作品化したかについて、多数の資料や論考が出版された。本研究はこうした新たな動きを取り込みながら、さらに広がりをもつこととなった。本研究終了後の平成27年度も、『作家たちの大戦争(第一次世界大戦)』と題するアンソロジーを編んだコレ‐ジュ・ド・フランスのアントワーヌ・コンパニョン教授を招聘して、引き続きこの面での議論を掘り下げる予定である。 本研究は総じて当初の計画を遂行できたが、新たな展望、さらなる発展の可能性も開かれた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(30 results)