2012 Fiscal Year Annual Research Report
発話単位アノテーションに基づく対話の認知・伝達融合モデルの構築
Project/Area Number |
23320081
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
傳 康晴 千葉大学, 文学部, 教授 (70291458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 美香 東京工科大学, メディア学部, 講師 (10454141)
小磯 花絵 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 理論・構造研究系, 准教授 (30312200)
増田 将伸 甲子園大学, 総合教育研究機構, 講師 (90460998)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 対話 / 認知過程 / 伝達過程 / 融合モデル / 発話単位 / アノテーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、2人以上の話者による対話において、(1)「発話」が下位要素からどのように構成され、(2)個々の行為が単一もしくは複数の話者による「発話」からどのように構成されるのかを実対話データの分析に基づいて明らかにし、会話インタラクションにおける文法や言語使用に関する認知・伝達融合モデルを構築することである。本年度は研究課題(1)(2)に関して以下の成果を得た。①発話冒頭部に「もう」を含む発話の相互行為上の働きを明らかにした。②統語境界における音調や韻律句変動を分析し、発話の完結性・継続性表示機能を明らかにした。③聞き手反応のターゲットを同定し、さまざまな形式の聞き手反応がどのように使い分けられているか調査した。④会話中の照応関係を付与し、情報の新旧や再言及の有無によって発話の韻律構造がどのように異なるか明らかにした。 これらの成果の基盤となるアノテーションデータに関して以下の拡充を行なった。①千葉大3人会話データに加え、『日本語話し言葉コーパス』対話データの付加情報を整備し、関係データベース化した。 [連携研究者] 国立国語研究所・前川喜久雄・大局的韻律構造のモデル化、京都大学・高梨克也・聞き手反応のモデル化、国立国語研究所・丸山岳彦・挿入構造のモデル化 [研究協力者] 吉田奈央・フリー・聞き手反応のモデル化、横森大輔・日本学術振興会/名古屋大学・相互行為分析、中川奈津子・京都大学・情報構造のモデル化、黒嶋智美・明治学院大学・相互行為分析、高木一広・九州工業大学・オノマトペの分析
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題(2)に関して若干未着手のテーマも残っているが、その他のテーマ、および、昨年度から継続している研究課題(1)については、査読付き論文11本を含む雑誌論文(論文集含む)37本もの成果が得られており、おおむね順調に進展している。基盤となるアノテーションデータについても、仕様がほぼ確定し、組織内での研究基盤が固まるとともに、公開の準備も進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、研究課題(1)(2)の知見を統合し、認知・伝達の融合モデルとしてまとめる。これらの成果を国際ジャーナル・国際学会で公表するとともに、以下の成果物を公表する。 ① 研究に用いたアノテーションデータ ② アノテーションデータの仕様をまとめたマニュアル
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