2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23320086
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹村 景子 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (20252736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小森 淳子 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (10376824)
米田 信子 大阪大学, 世界言語研究センター, 教授 (90352955)
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Keywords | スワヒリ語諸変種 / 文法記述 / 基礎語彙600語 / ライフヒストリー / 民族語彙 |
Research Abstract |
本研究の目的は、スワヒリ語に関する従来の研究対象が専ら「標準スワヒリ語」であり、東アフリカー帯で用いられている様々な変種にまで目が向けられてこなかったことに鑑み、いくつかの先行研究において約20~24ほどあるとされるスワヒリ語諸変種の文法記述研究とそのための一次資料収集を行なって、これまでに闡明されていない「スワヒリ語」の重層性と複合性を明らかにすると同時に、果たして旧来の変種分類が正しいかどうかを検証することである。平成23年度については、研究代表者以下、調査参加者全員が各対象地域においてスワヒリ語変種の文法記述にとって適当な調査地点を広く踏査し、その地域の変種の文法および基礎語彙を記述するためにふさわしいコンサルタントの獲得に努めることを計画していた。実際、各調査者は対象地域においてふさわしいコンサルタントを獲得し、各変種の文法記述、基礎語彙収集、民俗語彙収集、オーラルヒストリーの聞き書きを行なってきた。具体的には、研究代表者の竹村はザンジバル島北部県においてチャアニ変種の文法記述と基礎語彙600語の収集、研究分担者の米田はザンジバルタウンにおいてタウン変種の文法記述、研究協力者の宮崎はザンジバル島東部においてジャンビアーニ変種の文法記述、井戸根はペンバ島においてオーラルヒストリーの聞き書き、品川と八尾はキリマンジャロ州においてチャガ人の話すスワヒリ語変種の基礎語彙600語の収集、藤井はザンジバル島において民俗語彙収集、古本はザンジバルタウンにおいて基礎語彙600語の収集を行なった。これら収集したデータの多くは研究成果としてまとめられ、論文や口頭発表の形で公開されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各調査者が収集したデータから、例えばザンジバル島内でいくらか離れた地域で話される変種同士に近似性が見られることが判明したり、従来の研究では明らかになっていなかった文法の特徴が示されたりしている。このことから、今後も同様の調査を続けていけばさらにスワヒリ語諸変種の実態解明に繋がると判断できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は引き続き各調査地での文法記述、基礎語彙収集、民俗語彙収集、オーラルヒストリー収集、民話収集に努める。また、日本アフリカ学会等の学術大会における口頭発表や論集等での論文・資料・研究ノートの発表により、広く成果を公表することを目指す。
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[Book] アフリカ諸語文法要覧(塩田勝彦編)2012
Author(s)
塩田勝彦、竹村景子、小森淳子、米田信子、品川大輔、神谷俊郎, 他14名
Total Pages
301竹村:211-226,小森:151-155, 169-184, 米田:151-155, 241-255, 257-271,品川:185-198
Publisher
渓水社
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