2011 Fiscal Year Annual Research Report
社会・文化的場の共創と言語使用:母語話者視点による語用論理論の構築
Project/Area Number |
23320090
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
藤井 洋子 日本女子大学, 文学部, 教授 (30157771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井出 祥子 日本女子大学, 文学部, 研究員 (60060662)
片桐 恭弘 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (60374097)
片岡 邦好 愛知大学, 文学部, 教授 (20319172)
阿部 圭子 共立女子大学, 国際学部, 教授 (90231951)
堀江 薫 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 教授 (70181526)
高梨 博子 日本女子大学, 文学部, 准教授 (80551887)
植野 貴志子 日本女子大学, 文学部, 助教 (70512490)
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Keywords | 解放的語用論 / 母語話者視点 / 西欧・非西欧 / 言語とインターアクション / 社会・文化的場 |
Research Abstract |
第12回国際語用論学会(英国マンチェスター、7月3日~8日)にてパネルを企画し(井出)、研究発表(片桐・片岡・堀江・阿部・藤井・高梨)を行った(7月7日)。また、同学会長として、井出が基調講演を行った(7月3日)。 日本女子大学学術交流研究シンポジウム「コミュニケーションのダイナミズムと社会形成―自然発話データから」(10月15日)を共催し、招聘研究者、及び、藤井、高梨による講演を行った。 第29回日本英語学会(11月14日、新潟大学)に於いては、シンポジウム「日英語比較研究の可能性―その社会的応用をめぐって」を企画し、日英比較研究の社会的応用性について議論した(司会:井出、企画:藤井・片岡)。 International Workshop on Linguistics of BA(12月10日、早稲田大学)を共催し、藤井、井出による講演を行った。 2012年2月には、タイのチュラロンコン大学において、Mister O Corpusのタイ語のデータ収集を行った。また、タイの連携研究者のグループを中心にデータの文字化作業に取りかかっている。これにより、本科研費助成を受けて収集した言語・文化の比較可能なデータは、日本語、アメリカ英語、韓国語、リビア・アラビア語、タイ語の5言語・文化に至り、非常に貴重なデータ・コーパスとなった。また、データ収集とともにワークショップを行い、日本語、英語のMister O Corpusをすでに分析している研究代表者および研究分担者などによる研究発表を行う事により、タイの研究者の今後の研究を推進する一助となった。 その他、研究分担者が個々の研究発表、論文執筆を精力的に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
海外研究者の招聘延期、データ公開準備/書き起こし完成の遅延により、予算の一部を23年度から24年度に繰り越したものの、研究代表者および研究分担者の研究は順調に進展した。第12回国際語用論学会でのパネル企画、「日本女子大学学術交流研究シンポジウム」共催、日本英語学会でのシンポジウム企画、「International Workshop on Linguistics of BA」共催を通じて、当プロジェクトの研究成果を発表し、その研究意義を広く聴衆に説いた。 また、タイのチュラロンコン大学においてのタイ語によるMister O Corpusデータの収集は、当初の予定以上に順調に進んだ。これにより、日本語、アメリカ英語、韓国語、リビア・アラビア語、タイ語による同等な条件下での言語・文化比較が可能なデータ・コーパスを利用し、それぞれの言語を母語とする研究者たちとの意見交換や研究の推進が更に可能になったことは、大きな成果として認めることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度には、以下の計画を推進する。(1)データ公開に向けて最終調整を行い、年度内の公開を目指す。(2)研究代表者および研究分担者のこれまでの研究成果を取りまとめ、日本語による報告書を出版する。(3)海外研究者を招聘し、国内研究者との対話を実現する。(4)すでに発行した国際学術雑誌、Journal of Pragmaticsの2部の特集号に引き続き、3部目の特集号の編集を行う。(5)日本語、英語、韓国語、アラビア語、タイ語のデータに加え、中国語のデータ収集の計画を行う。(6)アジアを中心とした海外の研究者との共同研究を進める。
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