2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23320095
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
沢木 幹栄 信州大学, 人文学部, 教授 (20110116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 由美 一橋大学, 社会(科)学研究科, 教授 (20155732)
福嶋 秩子 新潟県立大学, 国際地域学部, 教授 (80189935)
菊池 聡 信州大学, 人文学部, 准教授 (30262679)
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Keywords | 琉球方言 / XML言語 / 言語地理学 / 電子データ化 / 否定形 / 統語的関係 / 形態素 / クレオール化 |
Research Abstract |
1.徳之島方言のテキストデータをXML言語で記述することについては、方法論的に見通しをつけるところまでできた。24年度に対象データをXML化する。これをすることによって、活用形から形態素を検索することや、一文中に品詞がどの順に配列されるかなどといった統語的関係で文を分類するなどの操作が可能になる。方言でこのような試みは初めてとなる。 2.1975年76年に東大言語学教室が行った言語地理学調査の録音テープを電子データ化した。この調査は徳之島全域で行われたが、当時は調査対象者のほぼ全員が伝統的方言を保持しており、方言が危機言語となった現在とは大きな違いがある。また、この調査は徳之島の全集落を対象にしていたが、36年たった今、消滅した集落もいくつかあり、その意味でも貴重な記録である。したがって、この録音データを電子化して共有財産として残すことに大きな意味がある。 3.徳之島の数地点で文法的調査を行ない、動詞の否定形が主語が一人称のときとそれ以外のときで違うことを発見した。これは文法的調査の成果の一つであるが、このような形で人称性が現れることは今まで報告がない。 4.徳之島方言の現状を知るために全島で小規模な調査を行った。これにより、共通語と方言のクレオール的な現象が起きていることが把握できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.テキストデータのXML化については、24年度中にほぼ完成する見込みである。3年計画の2年目で目的の一つがほぼ終われば、予定通りと言える。 2.過去の調査の録音の電子化については非常に順調に進んだ。 3.浅間方言以外の徳之島方言の調査も順調に行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.テキストデータのXML化は予定通り進める。また、方法論的に参考にできれば、積極的に海外の研究者にアドバイスを求めることにしたい。 2過去の調査の録音の電子化は予定の東大言語学教室による調査分はほぼめどがついたので、今後さらに対象をひろげ、徳之島方言で資料的価値あるものも電子化する。 3.浅間方言以外の奄美方言の調査も継続して行う。
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