2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23320095
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
沢木 幹栄 信州大学, 人文学部, 教授 (20110116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 由美 一橋大学, 社会(科)学研究科, 教授 (20155732)
菊池 聡 信州大学, 人文学部, 准教授 (30262679)
福嶋 秩子 新潟県立大学, 国際地域学部, 教授 (80189935)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 琉球方言 / 徳之島 / XML言語 / 資料電子化 / 言語地図 / アーカイブ |
Research Abstract |
沢木はXML言語による、「徳之島2000文辞典」のテキストのデータベース作りを行い、全体の半分についてXML化を完了した。その過程で、データ入力を省力化するプログラムや、分析のためのプログラムを作成した。XML言語を用いた言語分析一般に通用する道具を目指している。また、データベース作成の過程で発生した文法上の疑問を現地調査を行い、研究協力者の岡村隆博や福嶋と協議しつつ解決した。 福嶋は天城町浅間、伊仙町犬田布において、文法や語彙を中心とした調査を行った。過年度に行った徳之島町井ノ川や伊仙町崎原における調査結果と合わせ、動詞の活用体系の地域差が概ね明らかになった。 2012年3月に、30-50歳代の壮年層を中心に全島調査を行い、この世代の方言での方言の使用状況について明らかにした(調査者:沢木幹栄・中島由美・福嶋秩子)。音韻面では、特に中舌母音の喪失などの共通語化が進んでいるが、語法面では、連用形終止という徳之島ならでは の用法が維持される一方、方言敬語における否定形や過去形の用法が失われる、という事実を明らかにした。言語地図は中島が Illustratorで作成した。2013年1月に、中島は上記調査の補足として、上記調査が実施できなかった井之川地区などで同じ項目の調査を行った。その結果、上記調査で発見した傾向の確認がさらに進んだ。2回にわたる調査の結果を整理し、地図は現在補足制作中である。 中島は昨年に引き続き、奄美方言調査資料のアーカイブ化作業を継続的に企画、実施した。 75、76年の徳之島方言調査については音源の電子化が完了し、編集中である。また、研究協力者である上野善道によるアクセント調査音源の電子化を進め、整理中である。アクセント調査では多くの語彙、活用語の全活用形などが含まれており、貴重な記録である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
XML言語によるデータベース化は最終年度である25年度に完了する。25年度にデータベースを利用して研究を行える見通しができており、XML化を主要な成果とする報告書を出すための準備が整いつつある。 徳之島浅間の周辺の方言調査も順調に進んでいる。 過去のデータのアーカイブ化も予定を越えて進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
XML化については報告書およびそれに付属するDVDによって成果を世に問いたい。 現状の方言使用についての言語地理学的研究についても上記報告書で述べることにしたい。 アーカイブしたものの公開方法については現在検討中である。
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Research Products
(7 results)