2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本語のレベルに応じたeラーニングの活用方法に関する研究
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23320103
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
藤村 知子 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 教授 (20229040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝野 耕司 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (50216024)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | eラーニング / ブレンディッドラーニング / 初級レベル / 中級レベル / 上級レベル |
Research Abstract |
(1)初級レベル―eラーニング化した文法練習問題は、自動採点機能の制約から問題数が少なかったため、解説の該当箇所を表示するにとどめ、今年度は海外の学習者が苦手とする聴解コンテンツの充実を図ることとした。主として漢字圏且つ大学院レベルの学習者を対象とした聴解問題を作成し、正規授業での試用を通して問題の妥当性を検証するためのデータの収集に着手した。聴解問題は、日本の生活習慣など日本事情についても学べるようにも配慮した。また、大学院レベルの日本語教育予備教育機関における、初級6か月・中級3か月という授業時間数のアンバランスを是正し、インプット重視からアウトプットに割く授業時間を確保するための方策について検討した。 (2)中級レベル―非漢字圏の学習者にとっては、中級段階から漢字学習の負担が大きくなるため、それへの支援として、JPLANGのコンテンツでは手薄となっていた文字教材を補強した。すなわち、中級レベルの漢字フラッシュカードのプロトタイプの作成で、教室授業での使用を想定したPDFファイル版(ダウンロード用)と、学習者の復習用を想定したWeb版である。 (3)上級レベル―人文系の専門教育への橋渡しとなる読解教材、あるいはそれをもとに日本語学習者と日本人母語話者をインターネット回線で直接結んで意見交換が行える教材とするため、前年度に作成した教材を専門的な観点から見直した。また、後者に行う際に利用する電子会議システムに必要な機能について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
メンター・チューターの確保が難しく、それに代わる利用者の疑問点解消の方策を検討している。 また、海外の日本語学習者にとっては、インターネット回線を通した場合であっても、日本語母語話者と直接話せることは日本語表現能力を伸ばすいい機会である。雑談ではなく、日本の大学の勉学に耐えうる日本語能力の向上を目指すとなると、直接話す機会を日本語授業の中に組み込み、定期的に行うことが望ましいが、時差が小さい地域であっても、授業時間のずれ、回線の細さなどがネックとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度に当たるため、これまでプロトタイプとして作成してきたコンテンツを統合し、ユーザーインターフェースの改善を行う。 学習者数の多い中国語・韓国語に対応できるWeb上のチューターを配置し、今後の利用に役立てる。
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Research Products
(3 results)