2013 Fiscal Year Annual Research Report
縄文文化の北方フロンティアー北海道東部地域-の環境変化と縄文人の生業戦略
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23320169
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新美 倫子 名古屋大学, 博物館, 准教授 (10262065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門脇 誠二 名古屋大学, 博物館, 助教 (00571233)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 生業戦略 / 縄文時代 / 日の出貝塚 / 海洋リザーバ効果 |
Research Abstract |
平成25年度は、浜頓別町日の出貝塚の発掘調査と調査で得られた資料・データの 整理を行った。 調査では貝層の分布範囲を明らかにすることを目的とし、予想される貝層分布範囲の5m×5mごとに、1m×1mの試掘坑98カ所(計98㎡)の発掘調査を実施した。各試掘坑では、地表面から10~15cm程度(表土・撹乱層)を人力で掘り下げ、その段階より下部はボーリングで堆積状況を調査した。各試掘坑掘り下げの際に出た排土はすべて5mm目のふるいにかけて精査し、発掘時に見落とした遺物を回収した。 98カ所すべての試掘坑においてボーリングを行い、その結果から貝層は南西~北東方向に長くのびており、約63m×36mの範囲に広がることが明らかになった。また、貝層分布域の北西側に貝層分布域と隣接して(一部重複して)焼土・灰・炭化物を多量に含む黄褐色土が堆積する区域が見られ(この区域を「盛土」とする)、盛土は南西~北東方向に少なくとも長さ50m以上にわたって広がっていると考えられる。貝層の最も厚い部分では地表面にすでに貝片の散布が認められ、地表面から深さ1m程度まで貝が見られた。盛土は最も厚い部分で70cm以上の堆積が見られた。貝層と盛土が重複した部分では、貝層の上に盛土が堆積していた。 この調査で得られ たデータは、日本動物考古学会第1回大会で発表した。また、日の出貝塚出土資料の年代測定結果から遺跡周辺の海の環境について第79回日本考古学協会総会で発表し、日の出貝塚・温根沼貝塚に加えて東釧路貝塚出土資料の年代測定を行い、これらの遺跡の海洋リザーバ効果について・第80回日本考古学協会総会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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