2012 Fiscal Year Annual Research Report
市民参加型司法プロセスにおける「情報的正義」の構築に向けた学融的実証的研究
Project/Area Number |
23330005
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
指宿 信 成城大学, 法学部, 教授 (70211753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渕野 貴生 立命館大学, 法務研究科, 教授 (20271851)
藤田 政博 関西大学, 社会学部, 准教授 (60377140)
堀田 秀吾 明治大学, 法学部, 教授 (70330008)
佐藤 達哉 立命館大学, 文学部, 教授 (90215806)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 情報的正義 / 刑事司法 / 法と心理 / 法と言語 |
Research Abstract |
二年目となる平成24年度は、「情報的正義(Informational Justice:IJ)」概念の有用性について主として刑事司法領域の様々な研究主題での実用性を論証する作業をおこなった。 研究メンバーの個別研究が順調に進行していることから、これらを統合したIJ観念を多くの研究者と共有しその普遍性や有用性を確認するため、学術的なフォーラム(研究会ならびにワークショップ)を内外で設けることを通して、ブレインストーミング的に検証する機会を持ち、研究チーム全体で有益かつ好意的なフィードバックを受けることが出来た。 第一は、法哲学分野とのディスカッションであり、第二は法社会学分野とのディスカッションである。第一については、立命館大学の法哲学担当、平野教授と、第二については、同じく立命館大学の法社会学担当、渡辺千原教授、ならびにホノルルで開催された「2012アメリカ法社会学会」におけるワークショップ等を通しておこなった。こうした他分野の専門家との対話は、「情報的正義」概念のもつ外延と内包を明確化することに貢献し、更に本概念の有する社会科学的汎用性を確認する作業となった。 具体的には、「情報的正義」概念が実定法のみならず、法哲学や法社会学、あるいは心理学において注目されてきた判断過程以前の段階に着目し、判断過程に投入される「情報」の質と量に関心を求める概念であること、従来の手続的正義概念といった法哲学のアプローチとも、憲法で保障され各種の手続法の基底にある適正手続概念とも異なる、公正さの度合いを情報という側面から評価するメタ指標であることが明らかにされるに至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各研究メンバーの研究課題は順調に進行しており、それらを統合した「情報的正義」観念の有用性も法学、心理学のメンバーで広く共有されるようになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
海外において「情報的正義」観念が理解、受容されうるか、国際的な普遍性を持ちうる観念であるかを確認するため、英語による発信、公表の機会を持つ。
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Research Products
(13 results)
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[Book] 法と言語:法言語学へのいざない2012
Author(s)
橋内武, 堀田秀吾, 指宿信,大河原眞美,ギボンズ,ジョン,首藤佐智子,田中恒好,中根育子,中村幸子,中村秩祥子,藤田政博,札埜和男,水野真木子,渡辺修
Total Pages
255(指宿117-118,堀田23-36,53-64,119-131,藤田159-172)
Publisher
くろしお出版