2013 Fiscal Year Annual Research Report
市民参加型司法プロセスにおける「情報的正義」の構築に向けた学融的実証的研究
Project/Area Number |
23330005
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
指宿 信 成城大学, 法学部, 教授 (70211753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渕野 貴生 立命館大学, 法務研究科, 教授 (20271851)
藤田 政博 関西大学, 社会学部, 准教授 (60377140)
堀田 秀吾 明治大学, 法学部, 教授 (70330008)
佐藤 達哉 立命館大学, 文学部, 教授 (90215806)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 情報的正義 / 公正 / 刑事司法 / 裁判員 / 評議 / 法と言語 / 法と心理 |
Research Abstract |
最終年度である25年度は、「情報的正義Informational Justice:IJ)」という観念の汎用性を確認するため研究チームが一丸になって取り組んだ。特に2014年11月にハワイ大学で開催した国際ワークショップでは内外の研究者から、IJ概念の多分野への汎用性、有用性が賞賛されるに至った。 具体的には、法学、とりわけ裁判(司法)の世界において「証拠」「供述」「鑑定」といったモジュールが「情報」と位置づけられること、そして心理学の世界における「記憶」「示唆」あるいは「刺激」と呼ばれるものが同様に「情報」と位置づけられることを前提として、これらを総体的に適切に判断過程にインプットすることが「情報的正義」という観念であることが明らかにされた。 そして、それぞれのモジュールをめぐる「公正」「公平」「適正」な取扱いが疑問視された実例から「情報的正義」概念が規律や統制にあたって有効、有益であることが確認されるに至った。すなわち、刑事裁判における検察側の手持ちの情報(証拠)の中に被告人に有利な情報(たとえばアリバイ事実など)が隠されているケースで「開示」が争われている例を手がかりに、これを法的文脈では「公正な裁判を受ける権利」の侵害として位置づけられる一方で、情報的正義の文脈では「二者の紛争・対立関係がある場面で一方に情報の偏りが生じた」不正義のケースと説明できることが明らかにされた。 情報的正義はこの事例のような「隠された情報」のケースや「偏った情報」のケースだけでなく、「独占された情報」、「理解できなかった情報」、「伝えられなかった情報」、「変えられた情報」、「消された情報」、「見逃された情報」、「過剰過多な情報」、「遅れた情報」など、情報をめぐるさまざまな局面について多方面で適切な情報の収集伝達プロセスにおけるメタ指標として活用できることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)