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2012 Fiscal Year Annual Research Report

非正規雇用問題の総合的立法政策の研究

Research Project

Project/Area Number 23330018
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

荒木 尚志  東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (60175966)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 池田 悠  北海道大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (00456097)
富永 晃一  信州大学, 経済学部, 准教授 (30436498)
Project Period (FY) 2011-11-18 – 2014-03-31
Keywords非正規雇用 / 有期労働契約 / パート労働 / 派遣労働
Research Abstract

平成24年度の研究では、有期労働契約に関する諸外国の法規制の検討を継続するとともに、特に、世紀・非正規の処遇格差問題について検討を深めた。平成24年度の国会には有期労働契約規制に関する労働契約法改正法案が提出されたが、その過程では、本研究において検討した諸外国の有期労働契約規制とその解釈・運用の知見が大いに活用された。そして、労働契約法改正案は平成24年8月に可決成立するに至った。
労働契約法改正後は、新たに立法された有期労働契約の無期転換ルールを定めた労働契約法18条、雇止め法理を明文化した労働契約法19条、そして、有期労働契約を理由とする不合理な労働条件を禁止した労働契約法20条についての解釈問題が取り組むべき課題となった。本研究ではこれらの解釈問題についても検討を行い、その成果は平成24年12月の岩村正彦・荒木尚志・島田陽一「2012年労働契約法改正―有期労働規制をめぐって」ジュリスト1448号12頁(2012年12月)、荒木尚志「有期労働契約の立法政策」菅野和夫先生古稀記念論集『労働法学の展望』所収(2013年3月)等として公刊され、また、2013年1月にドイツのケルン大学で開催された日独比較労働法シンポジウムにおいて"New labor policies on non-standard employment in Japan:A focus on the new regulations on fixed-term employment contracts"として報告され、近々公刊の予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

非正規雇用の立法政策を課題としていたが、2012年3月には労働者派遣法の大改正がなされ、また、2012年8月に有期労働契約については労働契約法改正という形で実際に立法が実現した。そこで、本研究では、立法政策のみならず新たな法規制についての解釈論にも取り組むこととした。
また、労働契約法改正で新設された同法20条は正規労働者と非正規労働者の労働条件格差問題について、新たなアプローチを採用したため、今後、パート労働法においても労働契約法20条と整合性のある規制内容とするための法改正が立法政策上の課題とされるに至っている。これら、非正規雇用全体についての労働条件格差に関する規制についても検討を進めることができ、またその研究成果の公表等も行っている。さらに、平成25年度には、これらの成果を体系的な形で公表することも予定している。したがって、研究課題についての研究はおおむね順調に進展していると言ってよいと考える。

Strategy for Future Research Activity

非正規雇用の3つの分野のうち派遣労働については2012年3月に労働者派遣法が大改正され、有期労働については2012年8月に労働契約法改正が新たな有期労働契約規制を導入した。これら2つの分野については、まず採用された新たな立法政策について賛否両論があり、また、解釈論上も多様な課題が提起されている。そこで、両分野については、政策論および解釈論について、さらに検討を継続する予定である。
他方、もう一つの分野であるパート労働については、労働契約法20条と整合的な規制とするためにパート労働法8条の改正問題が喫緊の立法政策上の課題となるため、その検討を継続する。これらの労働条件格差規制は、正規雇用の労働条件規制に密接に関連するものであるので、これを格差規制という手法で規制すべきか、集団的労働条件調整システムとしての集団法的手法を用いてアプローチすべきか、両者を併用するか等、労働法の全体システムと非正規雇用規制の関係についても問題意識を持って3年にわたる研究のとりまとめを行いたい。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 2012年労働契約法改正―有期労働規制をめぐって2012

    • Author(s)
      岩村正彦・荒木尚志・島田陽一
    • Journal Title

      ジュリスト

      Volume: 1448号 Pages: 12-38

  • [Presentation] New labor policies on non-standard employment in Japan2013

    • Author(s)
      Takashi Araki
    • Organizer
      Symposion "Aktuelle arbeitsrechtliche Herausforderungen in Japan und Deutschland“
    • Place of Presentation
      ドイツ(日本文化会館(ケルン))
    • Year and Date
      20130110-20130111
    • Invited
  • [Book] 労働法学の展望2013

    • Author(s)
      荒木尚志
    • Total Pages
      853頁
    • Publisher
      有斐閣

URL: 

Published: 2014-07-24  

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