2012 Fiscal Year Annual Research Report
裁判員制度における量刑基準の明確化および理論的考察のための刑事学的総合研究
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23330021
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡上 雅美 筑波大学, 人文社会系, 教授 (00233304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅田 和茂 立命館大学, 法務研究科, 教授 (70067734)
葛原 力三 関西大学, 法学部, 教授 (70234440)
小池 信太郎 慶應義塾大学, 法務研究科, 准教授 (60383949)
小島 透 愛知大学, 法学部, 教授 (80293679)
中島 洋樹 関西大学, 法務研究科, 准教授 (60403797)
松宮 孝明 立命館大学, 法務研究科, 教授 (80199851)
山名 京子 関西大学, 法務研究科, 教授 (00248197)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | 刑事法学 / 量刑 / 裁判員裁判 / ドイツ刑法 |
Research Abstract |
本年度の研究の成果も、当初の研究計画通り、3つに分けることができる。いずれも、「刑事制裁・量刑研究会」が本研究活動の母体となっており、そこで研究代表者と分担者その他の協力者が共同して研究を行っている。 (1)日本の刑罰論ないし量刑実務の研究: 同研究会で取り扱ったテーマは、「刑事制裁について」、「終身刑をめぐる近時の議論」等である。これらの研究報告を行い、質疑応答を行った。これについては、その成果の一部を、日本刑法学会において報告した。さらに、最近の裁判員裁判の実情を知るという目的のために、大阪地方裁判所で実際に裁判員裁判を行っている判事を招待し、講演会を開催した。その題目は、「裁判員裁判における量刑判断の実際-法律家と非法律家の協働を意識して-」であり、実際に裁判員裁判における量刑評議のやり方、その際に現職の裁判官が留意していること、さまざまな問題点についての講演がなされ、その後、研究者および実務家との間で活発な意見交換を行った。 (2)ドイツの制裁法および量刑法の研究: これについても、本研究の成果の一部を、日本刑法学会において報告した。本研究のドイツにおける協力者に、フライブルク大学のヴォルフガング・フリッシュ教授がいるが、平成24年度に刑法学会において講演を行い、名誉会員に推挙された。その記念講演が、本研究課題に関係するテーマに関するものであり、本研究の延長線上にあるものである。そのほか、来日にあたって、いくつかの大学で、ドイツ刑法学・量刑法に関する講演を行い、その翻訳等の形で公刊されることになっている。それとともに、ドイツ量刑法の体系書の翻訳作業も順調に進んでいる。 (3)量刑法教科書の執筆準備: 本研究の新機軸の1つに、量刑の刑罰論としての側面ばかりでなく、量刑の刑事手続法的側面をも取り入れるということがある。そのため、刑事訴訟法を中心に論点整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終目標は、量刑体系書の執筆である。本研究は、25年度をもって完結する予定であるが、執筆依頼を行うに向けて、目次の作成を行っている。研究が計画した時期に達成しうるか否かは、執筆者の原稿がどの程度、期限内に回収できるかによるので、未確定の部分が多いが、夏季休業中に執筆を行ってもらう予定であるので、現在のところは、なお、計画通りに運んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の最終的な目標は、一般人ないし裁判員(候補者)に向けた量刑教科書の公刊である。その後は、現在、中心的に活動を行っている研究会は、解散または休止することになろう。ただし、本研究会での学問的成果は、さらに上記の一般人向けの啓蒙書にとどまらず、研究者宛の専門書の形でも公刊されるべきであり、それをもまた予定している。
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Research Products
(8 results)