2011 Fiscal Year Annual Research Report
学部課程法学教育の社会的機能と指導理念に関する法史学的・法理論的総合研究
Project/Area Number |
23330032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 智良 大阪大学, 法学研究科, 教授 (90258195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 敏充 大阪大学, 法学研究科, 教授 (30155668)
三成 賢次 大阪大学, 法学研究科, 教授 (90181932)
三阪 佳弘 大阪大学, 法学研究科, 教授 (30219612)
中山 竜一 大阪大学, 法学研究科, 教授 (00257958)
福井 康太 大阪大学, 法学研究科, 教授 (00302282)
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Keywords | 法学教育 / 大学史 / 知識社会学 / 賢慮 / 法学部 |
Research Abstract |
本研究では、法曹養成に特化しない学部課程での法学教育が果たしてきた社会的役割とその指導理念について、法史学・比較法・法理論等の諸観点から総合的立体的に研究した上で、法学部教育の存立基盤について解明することを目的としている。 そのために、本年度は、まず本プロジェクトに関する各参加者の共通了解を醸成するため、諸外国の学部課程法学教育が置かれている現況(カリキュラムと人材育成機能)について様々な国家・地域からゲストスピーカーを招いて研究会を開催した。まず、東アジア圏から、(法学専門大学院設置校については学部課程法学教育を廃止した)大韓民国、(学部課程を存続させた)中華民国の研究者に報告を願った。あわせて、研究分担者による中華人民共和国の現況報告を得た。続いて、南アフリカ(近年の法学部改革と大学の法曹・社会人養成機能)、ドイツ連邦(基礎法学関連書科目の法学部カリキュラムにおける位置づけと法学部の人材育成機能)の研究者に報告を願った。平行して法学教育史・大学史関連を中心とする書籍を積極的に購入して次年度以降の研究を進展させる基盤整備に努めた。これらの活動を通じて、法曹養成に特化しない法学教育の意義について法理学・法社会学・法史学専攻の研究分担者と歴史学専攻の研究分担者・連携研究者間に学際的な対話が展開され、共通の理解をもって議論するための土台が固められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
もっぱら同時代の比較という形をとって、大韓民国・中華民国・南アフリカ共和国・ドイツ連邦の研究者から学部課程法学教育の現況に関する報告を受け、あわせて共同研究者による中華人民共和国の状況報告も行ったため、研究計画でうたったところの「研究推進体制の円滑な起動」と「議論の深化を目指した研究進展」は達成できたと評価しうるため。
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Strategy for Future Research Activity |
日本近代における学部課程法学教育史の調査、現在の日本における学部課程法学教育の現況(定員、カリキュラム、設立理念)、台湾における同課程の現況に関わる合同調査、英連邦・アメリカ合衆国での現況(とりわけ後者における法科大学院進学予備課程の現状)に関する調査を実施する。あわせて中間総括シンポジウムのために予備議論を行う。
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Research Products
(4 results)