2013 Fiscal Year Annual Research Report
米国政党再編成とイデオロギー的分極化及び超党派主義ー予備選挙に着目して
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23330041
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保 文明 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00126046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 敬和 南山大学, 外国語学部, 准教授 (00454405)
宮田 智之 (近藤 智之) 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (00596843)
松岡 泰 熊本県立大学, 総合管理学部, 教授 (40190425)
菅原 和行 釧路公立大学, 経済学部, 准教授 (90433119)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アメリカ / 政治 / イデオロギー / 民主党 / 共和党 / 外交政策 / 分極化 / 予備選挙 |
Research Abstract |
本年度は、健康保険改革の執行をめぐる民主党と共和党の対立が、分析の焦点の一つとなった。とくに、2013年度秋にその執行を阻止するために共和党が、連邦政府閉鎖という戦略に訴えたために、それに強く反発した民主党とオバマ政権との間のイデオロギー対立が、新たな段階に入った。同時に、共和党内では、右派主導の連邦政府閉鎖に対する反発が経済団体の間で強まり、予備選挙において、右派候補を敗北させようとしている。 イデオロギー的分極化は、内政だけでなく外交政策をめぐってもみられた。とくに、それは、シリア、イラン、中国、そしてロシアに対する政策で顕著であった ただし、超党派主義の傾向が見られないわけではない。結局、予算案は超党派の支持で可決された。あまりに政治運動に傾斜したシンクタンク、ヘリテージ財団に対しては、政策研究の質を招いたとして、左右から批判が寄せられている。 このような中、本年度は、とくにオバマ外交と日米関係について、イデオロギーとの関係も視野に入れながら、英語の論文および口頭報告で発信することができた。 また、公刊に至っていないものの、予備選挙、議員の投票行動、シンクタンクの活動形態などについての資料を蓄積することができた。上で述べた、本年度の現実政治の新しい動向についても、鋭意資料を収集中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料の収集は順調に進んでいる。 口頭報告、論文の刊行両方について、一定の成果を出すことができた。 さらに、英語での発信を早くもこの時期にできたのは、当初の想定以上であった。
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Strategy for Future Research Activity |
現実政治の変動が激しく、それを追うことが容易でないことと、それに翻弄されがちであることが、この種の研究の宿命であり、困難でもあるが、克服は可能であろう。 基本的に、これまでの方針通りに研究を進めていきたい。
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