2013 Fiscal Year Annual Research Report
社会的福祉に関する多元的評価指標の開発:非厚生主義的規範的経済学によるアプローチ
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23330062
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
吉原 直毅 一橋大学, 経済研究所, 教授 (60272770)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 経済理論 / 善き生 / 非厚生主義 / 自由時間の不平等配分 / 包括的・折衷主義的判断関数 |
Research Abstract |
平成25年度は、研究協力者である後藤玲子氏(一橋大学経済研究所)とのベーシック・ニーズに関する共同研究論文を完成させ、ディスカッション・ペーパーとして公表した。また、海外研究協力者であるRobert Veneziani氏(University of London at Queen Mary)と、「複数異質労働の存在する経済環境での労働量(労働生産性)測度に関する公理的研究」の成果を、ディスカッション・ペーパーとして公表した。尚、後者は、更に良い公理体系の下での特徴づけが可能である事が解り、今後の研究として大いに発展する可能性がある。 また、自由時間不均等配分の福祉概念に関して、Veneziani氏と、労働スキルの異なる経済モデルを考え、この概念がいかにして拡張されうるかの理論的未解決問題に取り組んだ研究論文を完成させた。これは2014年1月の米国フィラデルフィアでのASSA Annual Meetingにて報告し、貴重なフィードバックをたくさん得た後に、現在、間もなくディスカッション・ペーパーとして公表可能な段階になっている。これらの研究成果を含め、自由時間不均等配分の福祉概念に関する現在までの研究の進展状況に関するサーベイ論文を英語論文・日本語論文でそれぞれ仕上げ、それぞれ審査制の学術出版物として公開される事が決まった。 他方、代表的な福祉評価として異なる年度での国民所得水準の比較は典型的な手法であるが、この手法は価格体系の変化によって所得がどう変化したかが不明になるという問題点を孕んでいる。そのような問題は、古典派経済学の時代から知られており、それ故にデイビット・リカードは「不変の価値尺度」について終生探求し続けた。このリカードの「不変の価値尺度」機能を有するニュメレール財の存在する必要十分条件を確定させる研究を新たに開始し、ディスカッション・ペーパーとして公表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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