2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23330065
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
赤尾 健一 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (30211692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上東 貴志 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (30324908)
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Keywords | 地球環境問題 / 経済動学 / Convex-concave成長関数 / Critical capital stock / 微分ゲーム |
Research Abstract |
本年度は5カ年の研究の第一年目として、(1)研究スケジュールの再検討、(2)Convex-concave成長関数をもつ最適成長モデルの研究、(3)微分ゲームの均衡戦略の発現方法の研究、(4)経済動学を応用した環境経済モデルの分析、(5)地球環境問題への知見を深めるための調査観察の5つを行った。(1)では、以下の「今後の研究の推進方策」で具体的に述べるように、テーマの研究年次を変更した。(2)は、研究成果を出版(Akao,Kamihigashi and Nishimura,2011)するとともに、さらに研究を進めて、連続時間モデルにおいて、critical capital stock(資本あるいは資源がその水準を下図るとゼロストックレベルまで資本または資源を採取することが社会的最適経路となり、それを上回ると最適経路が内点定常状態に収束するような閾値)が、割引率に対して単調かつ連続であることを証明した。さらに、割引率が高くなると内点定常状態は抵下しやがて消滅するが、その下限が限界効用の弾力性に依存することを明らかにした。(3)に関しては、(symmetric)Markov perfect Nash均衡戦略を見つける方法として経済学において広く利用されているTsutsui-Mino spproachを研究した。Osoelastic効用関数をもつcake eating problemではこの方法はうまく行かない(実際には均衡戦略ではないものを導いてしまう)ことを確認した。(4)については地球温緩化問題に関連して、京都議定書にもとづく炭素を吸収する森林の最適利用を分析した。最後に(5)では、環境破壊によって急激かつ劇的な社会崩壊が起きたして、重要な社会実験の場とみなされているイースター島を視察した。人口減少の諸要因を知ることができ、今後の研究にとって重要な知見となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した順番とは異なるが、各年で1トピックを研究するというペースは維持できている。研究実績の概要の(2)については論文作成は来年度以降し持ち越したが、その分、(3)の研究課題について概究が進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要の(1)として触れたように、研究スケジュールを見直し、研究全体としての変更はないものの、5ヶ年の研究期間の中で客年に扱うテーマを次のような順番に変更した。H23 非凸性とレジームシフト、H24 微分ゲームの均衡選択、H25 費用便益分析と予防原則、H26 割引と時間不整合性性、H27 諸トピックスの総合化。
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