2014 Fiscal Year Annual Research Report
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23330065
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
赤尾 健一 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (30211692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上東 貴志 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (30324908)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Convex-concave成長関数 / 予防原則 / 割引 / 地球環境問題 / 微分ゲーム |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイナミックゲームの均衡解の選択方法を研究しようとしたが、むしろその均衡解のなかで動的最適化問題の解と一致するものを求めるという方向に研究を進め、一定の結果を得た。 非指数的割引(nongemetric discounting)のケースでは多均衡や均衡の不決定性が発生すること、均衡は非効率であることなどが知られている。これらの既存研究からどのように研究を発展させるかについて、次のようなアイデアで研究を進めた。すなわち、我々の時間割引が非指数的でこれらの問題を発生させるのであれば、政府の介入は不可避である。その際、研究課題は、政府はいかなる計画を実行すべきか/実行しようとするか、それはいかなる政策手段によって実現可能かを明らかにすることである。前者について hyperbolic discounting のケースについて、既存の最適成長モデルが適用できることを確認した。 不確実性に関しては、地球温暖化問題において典型的なレジームシフトを引き起こす可能性の問題に研究は焦点をあてた。外生的なカタストロフの発生の可能性について、それが経済に及ぼす影響を明らかにできた。結果を要約すると、予防的行動とファンダメンタルズとの関係、その経済パフォーマンスへの影響は単調ではない。 非指数的割引をもつ主体からなるダイナミックゲームの解経路が、非指数的割引をもつ一主体の均衡経路として表現できれば、ここで考察した要素をすべて考慮しても、社会計画者問題が経済の動向を表すモデルとして利用できることが言える。 最後にconvex-concave 生産関数をもつ集計最適成長モデルについては、論文の細部を改良した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画した研究と方向が変わった部分はあるが、計画した観点から地球環境問題の特質を考慮し、統合的な経済モデルとはいかなるものになるかを明らかにし分析するという研究目的は達成されている。「おおむね」とした理由は、研究成果の論文化が予想よりも時間がかかっていることによる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた研究成果を総合して、一つの論文として完成する。また、個々の研究成果の論文を完成させたりリバイズする。フィードバックを得るべく国際学会を含む研究会に積極的に参加し研究成果を発表する。
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