2012 Fiscal Year Annual Research Report
政策評価のための計量理論とそれを用いた雇用保険制度の分析
Project/Area Number |
23330070
|
Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
荒井 洋一 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (50376571)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市村 英彦 東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (50401196)
川口 大司 一橋大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (80346139)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 政策評価 / ノンパラメトリック分析 / 非連続回帰分析 / バンド幅 / 雇用保険制度 |
Research Abstract |
昨年度までの研究において、まず密度関数の差の推定のためのバンド幅の最適な選択方法の理論研究を行った。そして、そこで提案された理論を一般の関数の差の推定のためのバンド幅の選択方法への理論へ拡張をした。その際に関数を評価する点がサポートの内点の場合と境界点の場合との場合で重要な違いが生じることを示し、それぞれの場合における理論研究を行った。境界点の場合においては実証分析において近年頻繁に用いられるシャープな非連続回帰の問題を特殊ケースとして扱った。 本年度の研究においては、ここまで明らかになった理論を実際の問題へ適用するための研究をおこなった。昨年度までの研究において最適なバンド幅が明らかになったが、それは密度関数や一般の関数の理論値に依存するものであった。理論値は一般的に未知であるため、そのままでは実際の問題に用いることができない。そこで小標本において計算可能で、漸近的には最適なバンド幅と同等な性質をもつバンド幅を提案した。そして提案されたバンド幅の小標本での性質をみるために大規模なシミュレーションを行った。シミュレーションに際してはシャープな非連続回帰の問題を扱った。実証分析の例として有名であるいくつかのData Generating Processを考えた。そして提案された方法が既存の方法より優れた性質を持つことを明らかにした。特に、現時点では最良の方法と考えられているImbens and Kalyanaraman (2012, Review of Economic Studies)よりも優れていることが明らかになった。 また、理論研究として実証分析の準備も進めている。実証分析としては引き続き雇用保険制度の分析を考えている。大規模なデータの整理、記述統計などの理解をした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、計画の困難な理論的研究部門とデータの整理などに時間を大量に消費する実証分析部門の二つの部門からなっているが、両部門ともおおむね計画通りに順調に進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度までの研究がおおむね順調に進展しているため、今後も研究計画通りに進めて行く計画である。一定の結果が得られた時点で一つずつを論文にして行く計画である。
|