2013 Fiscal Year Annual Research Report
集積の経済のミクロ的基礎に基づいた政策評価手法の開発
Project/Area Number |
23330076
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
金本 良嗣 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (00134198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城所 幸弘 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (90283811)
村田 安寧 日本大学, 総合科学研究科, 教授 (40336508)
中島 賢太郎 東北大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60507698)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 集積の経済 / 費用便益分析 / 新地理経済学 / 交通投資 / 独占的競争 |
Research Abstract |
本研究の目的は、集積の経済のミクロ的基礎を踏まえた次善の費用便益手法を確立することである。そのために、交通投資を組み込んだ都市集積の空間経済モデルを構築し、次善の便益評価に関する理論的分析を行うとともに、実際の評価に用いる統計手法の研究を行った。理論的分析については、23年度、24年度にほぼ完成し、2本の研究論文が国際学術誌に掲載された。また、統計手法の開発については、生産面における集積の経済について、集計生産関数を用いる手法と価格マークアップの推計による手法とを検討した。消費面における集積の経済については集計生産関数を用いることができないので、その代わりに地価や住宅価格を用いる手法を検討した。 これらの研究成果を基礎に、交通投資の幅広いインパクトと称して集積便益の計測に関する先駆的な取り組みを行っている英国の例をとりあげ、彼らの推計手法の批判的検討を行った。我々が得た結論は、英国の手法は大筋において理論的に正当化できるが、いくつかの理論的及び統計的問題点をもっていることである。第一に、集積便益と労働力率増加便益について他都市への悪影響を無視しており、これが過大評価をもたらしている。第二に、労働者の流入や労働化率の増加にともなって公共サービスの費用が増加する可能性があり、これが無視されている。第三に、消費面における集積便益の推計は困難である。 さらに、鍵となるパラメータの推定においてもいくつかの困難がある。第一に、価格マークアップ自体の推定については、限界費用が観察可能でないので、直接的な推定が困難である。第二に、財の種類が可変であるときには、財の種類に関するマークアップの推定も必要であるが、これは原理的に難しい。第三に、集計生産関数の推定についても、大都市に能力の高い労働者が集まる傾向があることがバイアスをもたらしている可能性が大きい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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