2014 Fiscal Year Annual Research Report
道路・鉄道の混雑課金導入を踏まえた土地利用転換促進法制の効果に関する実証的研究
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23330091
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
福井 秀夫 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (60251633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐渡 広志 富山大学, 経済学部, 教授 (00345555)
山鹿 久木 関西学院大学, 経済学部, 教授 (50334032)
久米 良昭 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (60316643)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 環境政策 / 再開発 / 土地利用モデル / マンション建替え |
Outline of Annual Research Achievements |
1.都市中心部における土地・床供給促進施策とその供給シフト効果の分析 大都市中心部では土地供給の弾力性が小さい。道路混雑課金の効果をさらに増進させるためには、総合設計制度、再開発法制、マンション建替法制を改善し、都市中心部の土地・床供給をシフトさせることが必要である。このため地価関数や中古住宅価格関数を推計することによって、これまでの制度改善効果を事後的に計量評価する手法を検討した。本年度は、再開発法制における合意要件、借家人保護規定を見直した場合の再開発促進効果を計測するとともに、容積インセンティブを付与した場合の収益改善効果をケーススタディした。 2.都市中心部高層建築・高密度集積がもたらす景観・環境等への外部不経済影響の分析 都市中心部にケーススタディ区域を設定することにより、道路沿道の騒音、NOX 等、環境汚染指標や、住宅地図から計測した天空遮蔽率等の指標を説明変数とする地価関数を推計し、これら指標による地価形成への寄与を明らかにした。具体的には、南側建物により天空遮蔽率が10%増大すると地価が8%下落すること、また騒音が10dB増大すると地価が11%下落することを示した。これらの成果にもとづき、混雑課金の導入、容積率の緩和、再開制度の改善が実現した場合に再開発事業が促進され、都市中心部で高層建物建築が増大し、また発生集中量の増大を通じてもたらされる渋滞が騒音・大気汚染を通じて周辺地域にもたらす外部不経済の社会的費用を計測するモデルを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究全体を通じての枠組みを構築するとともに、理論的論点をほぼ解明することができたため、計画とおりに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に収集した基礎データにもとづき、所与の分担体制の下で、実証分析を進めていくこととする。
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Research Products
(8 results)