2012 Fiscal Year Annual Research Report
企業統治構造・人的資源管理と生産性に関する実証研究
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23330101
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Research Institution | Research Institute of Economy, Trade and Industry |
Principal Investigator |
森川 正之 独立行政法人経済産業研究所, その他部局等, その他 (70272284)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 生産性 / 企業統治 / 人的資源管理 / 企業特性 / サービス産業 |
Research Abstract |
昨年度に実施した「企業経営と経済政策に関するアンケート調査」では、約3,400社から、経営目標、利益処分、株主構成、役員構成、労働組合、成果報酬、従業員持株制度、経営に影響を与える経済政策等についての回答が得られた。本年度は、このデータを使用して、まず、1990年代に実施した同種の調査との比較を通じて過去十数年間の日本企業の経営の変化について観察事実を整理し、「日本企業の構造変化:経営戦略・内部組織・企業行動」と題する論文を執筆した。同論文は、経済産業研究所の内部セミナーで報告し、ディスカッション・ペーパー(12-J-017)として公表した。また、同調査の結果の一部を用いて、「東日本大震災の影響と経済成長政策:企業アンケート調査から」と題する論文を執筆し、内部セミナーで報告した上でポリシー・ディスカッション・ペーパー(12-P-010)として公表した。 並行して、経済産業省「企業活動基本調査」の個票データを使用して「無形資産投資における資金制約」と題する論文を執筆し、内部セミナーで報告し、ディスカッション・ペーパー(12-J-016)として公表した。さらに、同論文を加筆修正の上で英訳し、Financial Constraints in Intangible Investments: Evidence from Japanese firmsというディスカッション・ペーパー(12-E-045)として公表した。同論文は、学習院大学・一橋大学との共催の国際ワークショップ(Workshop on Intangibles, Innovation Policy and Economic Growth)で発表した。また、同調査を用いたProductivity and survival of family firms in Japanを執筆して学術誌に投稿し、採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本企業に対するアンケ-ト調査のスケジュールは、東北地方所在企業における震災の影響や全国各地の企業の廃業に伴う調査サンプルの再設計等の事情によりやや遅れたものの、23年度内に調査票の回収が完了した。24年度には補足的なアンケート調査を実施することができた。 「企業活動基本調査」の個票データを用いた分析とあわせて2年間で6本の論文(ディスカッション・ペーパー及び査読付きJournal論文)を公表することができ、総合的に見て「おおむね順調に進展している」と判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度中に実施したアンケート調査及び24年度に補足的に実施した調査の回収が終了し、データが利用可能となったため、25度以降はこの結果を用いてミクロ計量分析を行う。分析を通じて、企業統治構造・人的資源管理といった「経営の質」に関連する各種企業特性と生産性をはじめとする経営成果の関係を定量的に分析し、何本かの論文にまとめる予定である。
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Research Products
(7 results)