2012 Fiscal Year Annual Research Report

新公共経営（ＮＰＭ）時代の自治体経営効率化に向けた実証的、理論的財政分析

Research Project

Project/Area Number	23330105
Research Institution	Osaka University
Principal Investigator	赤井伸郎大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (50275301)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	湯之上英雄千葉商科大学, サービス創造学部, 准教授 (10509590) 広田啓朗名古屋商科大学, 商学部, 准教授 (10553141) 齊藤愼大阪学院大学, 経済学部, 教授 (70093565) 倉本宜史甲南大学, マネジメント創造学部, 講師 (70550309) 山内直人大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (90243146)
Project Period (FY)	2011-04-01 – 2015-03-31
Keywords	国際情報交換(オーストラリア) / 自治体経営の効率化 / 国内港湾運営の効率性
Research Abstract	本研究の2年目となる平成25年度は、各自、自治体の効率化にかかわる研究をさらに進めた。まず、研究の中間段階の発表の場として、国際自治体化協会と連携し、「Improving local government efficiency and performance: recent experiences in Australia and Japan」と題したセミナーを、オーストラリア・シドニー市内で開催した。発表された論文は回帰切断デザイン（Regression Discontinuity Design：RDD）という分析手法を用い、市町村における議会定員数が歳出増に繋がることを明らかにする内容と、道府県の目的別歳出を対象に費目間の相関を考慮した空間自己相関モデルを用い、幾つかの費目でのフライペーパー効果を示す内容のものであった。さらに、オーストラリア側からも、自治体の事情について説明がなされた。日本の取り組みをアピールするとともに、日本とオーストラリアの自治体経営手法から見出されるベストプラクティスを共有し合うことができた。次に、港湾にかかわる研究として、日本交通学会において、「国内港湾運営の効率性に関する要因分析－財政要因を考慮した分析－」というテーマで、成果の発表を行った。その主な内容は、以下である。まず国内55港湾を対象に各港湾の技術的効率性の値をDEAにより計測した。そして、この値に他会計からの移転財源の程度を示す他会計依存度、将来世代からの移転財源の程度を示す公債依存度といった財政的側面からの負の影響がトービット・モデルにより示された。その成果は、査読付き雑誌『交通学研究』に掲載された。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 研究2年目の平成24年度に実施すべきであると計画した、海外における情報交換としてのセミナーの企画は、大成功に終わり、国際交流はもちろん、研究における新たな視点を見出すことができた。新たな視点を加えて、研究を発展させる段階に来ている。国内外での学会発表も行っており、一部であるが、成果も出ている。これは想定通りの研究の達成度合いである
Strategy for Future Research Activity	当初の研究計画で予定していた通り、論文の執筆を進め、本年度は、熟成されてきた研究成果を、学会で発表することによって、さらなる発展、完成度の向上に向けた様々な意見を頂く。ワークショップも開催し、問題点の社会発信を行うとともに、議論を通じた内容の向上を検討する。