2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23330106
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤田 誠一 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (40135778)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 洋一 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (90239062)
北野 重人 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (00362260)
五百旗頭 真吾 同志社大学, 商学部, 准教授 (30411060)
星河 武志 近畿大学, 経済学部, 講師 (20467674)
山本 周吾 神戸大学, 経済学研究科, 研究員 (70593599)
|
Keywords | グローバル・インバランス / リージョナル・インバランス / 国際通貨システム / 為替相場政策 / 国際資金フロー / 世界金融危機 / ドル不足 / ユーロ危機 |
Research Abstract |
本年度はグローバル・インバランスおよびユーロ圏のリージョナル・インバランスについて、貯蓄・投資バランスや為替相場の側面から検討した。 松林・五百旗頭・北野は、アメリカおよびアジアについて、リーマンショック以降の不均衡の是正容認を検討し、主として一時的要因や政策による是正であるとの結論を得た。藤田は、ユーロ圏のリージョナル・インバランスの要因について検討し、リージョナル・インバランスがユーロ圏の構造的な問題から発生し、現在の財政危機とも密接に関係していることを明らかにした。山本・星河はアジア危機後のアジアを対象に、外貨準備需要と負の金融的要因がアジア諸国の経常収支を黒字化させる要因であったことwぽ明らかにした。猪口・福本は、アジアの金融市場の発達度とグローバル・インバランスの関係について検討を進めている。柴本はグローバル・インバランスとマクロ金融政策との関係について、DSGEモデルを応用しながら検討を行った。 本年度行った金融面についての予備的考察からは、世界金融危機の原因はアジアからの資本流入ではなく、ユーロ圏からの資金流入である可能性が示唆されており、この点はこれまでの通説的な見解とは異なる興味深い結果である。次年度は国際資金フローのデータ・ベースを用いて、この点を明確にする予定である。 今年度は、本研究に関連するセミナーに外部の講師を招聘し、意見交換も行った。外部講師は、田中素香教授(中央大学)、武藤一郎氏(日本銀行)、藪友良教授(慶應義塾大学)、岡野衛士教授(東京経済大学)、大山剛氏(監査法人トーマツ)、岩田健治教授(九州大学)である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該研究課題については11月に追加採用となったため、年度初めから研究組織全体による共同研究を組織できなかった。しかし、24年度の新規採択に向けた新たな研究はすでにスタートさせており、その成果は24年に入ってあがりつつある。また、年度末に向けて当該研究課題に関する外部研究者との意見交換の場を頻繁に持ち、次年度の研究の方向性は明確となっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、国際的な資金フローに関する大型のデータ・ベースを購入予定であり、このデータをも散ることにより、グローバル・インバランスおよびリージョナル・インバランスを金融的側面から分析する予定である。
|
Research Products
(4 results)