2012 Fiscal Year Annual Research Report
ダイナミック・ケイパビリティ理論の実証研究:組織内部に発生するメカニズムの解明
Project/Area Number |
23330121
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬場 靖憲 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (80238229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七丈 直弘 文部科学省科学技術・学術政策研究所, 科学技術動向センター, 上席研究官 (30323489)
柴山 創太郎 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30609285)
岡村 浩一郎 関西学院大学, 商学部, 准教授 (80580349)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 経営革新 / 組織能力 / ダイナミックケイパビリティ / ルーティン / 企業家精神 / 研究組織 / 不確実性 / タスク分担 |
Research Abstract |
本研究は、組織構造と組織活動(ルーティン)を変更することによって経営革新を実現する組織能力としてのダイナミック・ケイパビリティを活性化する組織構造と意思決定の解明を目的とする。平成24年度においては、近年、急速に企業化するバイオ医薬分野研究組織を対象に、日本の代表的大学の研究室に関し、その研究パフォーマンス(論文出版数、被引用数等)、その資源ベース(所属研究者・学生数等)、技術フィットネス(現在と過去の研究活動分野等)、進化フィットネス(外部資金獲得額等)、組織研究リーダーの企業家精神(国外/国内でのモビリティー)等)など、ダイナミック・ケイパビリティの分析に必要な一連のデータ作成を実施した。並行して、個別の大学研究室の研究マネジメントと組織活動に関して予備的に試行した質問表調査の調査結果を利用して、大学の研究組織が異なった研究活動(基礎研究/応用研究)について、教授、ポスドク等、組織の各階層が研究の各フェーズ(テーマ設定、実験、論文作成等)について、、どのような役割分担をして研究を進めたか(トップダウン vs. ボトムアップ)、また、研究室の内部に必要な研究能力がない場合、その能力をどのように調達したか(内部形成 vs. 外部調達)、等、ダイナミック・ケイパビリティの発現に関連する一連の組織要因を調査した。平成24年度においては、収得した以上のデータを利用して、によって、本研究の目的である組織のダイナミック・ケイパビリティの発現に対する技術/組織/社会的要因の果たす役割に関する予備的分析を実施し,その結果を複数の国際学会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バイオ医薬を研究する大学研究室を対象とする予備的質問票調査の結果を利用して、研究室の研究パフォーマンスを被説明変数とする一連のモデル推定をおこなうことにより、本研究の目的であるダイナミック・ケイパビリティに関する定量分析を実施した。分析結果を考察して、ダイナミック・ケイパビリティに関する理論構築に貢献するために必要な情報を獲得するために、さらなる質問票を設計する体制が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
以上に述べたように、本研究テーマに対して、計量書誌学に基づいたデータ作成、また、質問票調査による関連データの作成が終了している。本年度以降、以上のデータを活用して、理論に基づいた定量分析を実施する予定である。その際、単にデータからの整合性をみるだけではなく、実際に優秀な研究成果をあげた研究室に対して、適宜、追加的なインタビューを行う等,如何に、現実に基づいた理論構築が出来るか、現場とのコミュニケーションの確保に留意して研究を進めたい。
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