2012 Fiscal Year Annual Research Report
日仏両国のコーポレート・ガバナンス比較考察ー機関投資家の役割と企業価値
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23330131
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
水野 満 日本大学, その他の研究科, 教授 (40318473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三和 裕美子 明治大学, 商学部, 教授 (10287881)
清水 一 大阪経済大学, 情報社会科学部, 講師 (50368841)
ORSINI Philippe 日本大学, その他の研究科, 准教授 (70409093)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | コーポレート・ガバナンス / 機関投資家 / フランスのコーポレート・ガバナンス / 企業価値 / 日本のコーポレート・ガバナンス |
Research Abstract |
昨年度に立ち上げた研究会を5回開催した。テーマは2012年の株主総会の注目点、機関投資家の受託者責任、コーポレート・ガバンスの国際比較~日仏比較の視点から~、米国・EUにおけるコーポレート・ガバナンス・ルール見直しの動向について等でテーマに関する意見交換を行いガバナンスの理解を深めた。昨年度は、フランス企業の基礎的なデータ収集・分析を行なったが、24年度は「NEEDS-CgesとNEEDS日経財務関連タ」のデータ・ベースを活用して、収集可能なガバナンス項目を2005年度と2010年度の両年度に亘り、収集した。収集したデータをもとに集計と統計解析を行い、本研究の目的である、コーポレート・ガバナンスにおける機関投資家の役割と企業価値について考察した。また、夏季休暇を利用してフランスを訪問しAMF(フランス金融市場庁)、ISS(フランスの機関投資家議決権行使助言会社)、Peter Wirzs教授(リヨン大学)、EMLYONビジネススクール、Bollaert 教授(Skema Business School)、Edward Dubois(パリ大学)、EU Commission、Danone、AFG(機関投資家)、を訪問し有益な意見交換ができた。わが国では、ガバナンスであまり取り上げられない、ダイバーシティーと役員報酬の議論がホット・イシューであるとの印象を受けた。日本の機関投資家に対するアンケート調査を12月から開始して、集計・分析を開始した。平成25年2月には、ACGA(アジアコーポレート・ガバナンス協会)と現地に拠点を有する海外機関投資家を訪問し日本のコーポレート・ガバナンスに対する改善意見と投資をする上での重要なガバナンス項目についてヒアリングを実施し、海外機関投資家の投資行動が、明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日仏のコーポレート・ガバナンス改革に関するデータ収集と分析をすることができたこと、ガバナンスにおける機関投資家の役割と機関投資家と企業価値の関係をある程度分析することができたこと、訪仏しフランス企業のガバナンスについて意見交換を行ったこと、香港を訪問して機関投資家の意見を聴取できたこと、ならびに、日本の機関投資家に対するアンケート調査を行なったので。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策については当初計画通りに進めていく計画である。日仏コーポレート・ガバナンスの比較と両国の機関投資家のモニタリングが企業価値の向上をもたらしているかどうかの考察を行なう。機関投資家の投資行動については日本の調査は終了したので、25年度にはフランスの機関投資家に対するアンケート調査を行い分析する。また、機関投資家のモニタリングと企業価値を高めるための行動の考察とモニタリングが企業価値に与える影響についても先行研究とアンケート調査並びにインタビューを踏まえて、理論的に考察する計画である。以上の調査結果をふまえて、国際会議の開催と、国内外の学会で論文を発表して研究の完成度を高める所存である。
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