2011 Fiscal Year Annual Research Report
製品開発プロジェクトにおけるセミ・オープンイノベーションの有効性に関する研究
Project/Area Number |
23330135
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
石田 修一 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 教授 (00326539)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長平 彰夫 東北大学, 工学研究科, 教授 (10323122)
三藤 利雄 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 教授 (00249286)
|
Keywords | オープンイノベーション / 企業境界 / ネットワークマネジメント |
Research Abstract |
1.理論化に関する実績 研究目的の1番目に掲げている「セミ・オープンイノベーションの実現性ならびに実現するための組織的な機能や仕組みを明らかにする」という観点で研究を進めた。特に外部知識と内部知識および多事業部やグループ企業にまたがる準内部知識間の組織的相互作用を解明するモデルを構築するために、「企業境界論」、「内部組織論」、「ネットワークマネジメント論」などの諸理論に基づく広範な理論的検討を行った。この際、従来のオープンイノベーションモデルの企業の境界線(boundary of the firm)に「知識の解釈」や「知識の受発信」といった組織的な能力を組み込むことによって「セミ・オープンイノベーション」モデルの理論化を試みた。現時点では、まだ十分な理論フレームワークの構築には至っていないが、モデル構築のための要素となる概念をいくつか抽出できたこともあり、構築のための糸口をつかんでいる段階である。 2.実証研究に関する実績 セミ・オープンイノベーションの実現性を推し量るために、企業事例比較に基づく実証的な分析を試みた。セミ・オープンイノベーションを意識的に実践している企業もあれば、そうではない企業もあるはずで、中には存在すら認められない企業もあると考えられるため、企業側の意識・無意識に関わらず、セミ・オープンイノベーションの定義に適う企業をオープンエンドの非構造化インタビューに基づくパイロット調査によって事前に数社選択した。しかしインタビュー内容の構造化が十分ではなかったため、再度、継続的な調査を実施することを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「セミ・オープンイノベーション」モデル構築に関しては十分な理論フレームワークの構築には至っていないが、要素概念を抽出できているなど緩やかに進展している。加えて実証分析のためのフィールドワークも、まだまだ十分ではないが実施できており質問票調査のための構造化のヒントが得られている。
|
Strategy for Future Research Activity |
基本的には当初の計画通りの推進方法で臨む。理論モデルの構築を促進するため当初の計画通りケンブリッジ大学のDavid Probert教授ならびにハンブルグ工科大学のCornelius Herstatt教授と共に共同研究を深めていく。 加えて分担研究者である東北大学の長平教授の協力を得て、本年度末をめがけ、質問票調査を本格的に実施する計画を進めていく。
|