2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23330139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institution for Academic Degrees and University Evaluation |
Principal Investigator |
田中 弥生 独立行政法人大学評価・学位授与機構, 研究開発部, 准教授 (50372404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 晴人 東京大学, 経済学研究科, 教授 (20126113)
山内 直人 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (90243146)
大野 達司 法政大学, 法学部, 教授 (90203885)
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Keywords | エクセレントNPO評価基準 / 公益法人 / 公共領域 / 組織評価 / データベース |
Research Abstract |
本研究は公共領域で活動する民間非営利組織に着目し、本研究チームが先行研究で開発した市民型非営利組織の評価基準から分析手法を開発することによって、市民型、行政補完型、営利企業型(収益事業型)を分類し、その特徴を明らかにすることによって我が国の市民社会の輪郭を明らかにすることをゴールとする。初年度にあたる平成23年度は、公益法人を対象に以下の調査を行った。 1.評価基準の理論と成立根拠を整理し、著書にまとめた。(『市民者社会政策論』明石書店、2011年8月) 2.東京都所管公益法人900団体の名簿を東京都の協力を得て入手した。この名簿に基づき、各団体の財務情報を、内閣府公開資料、各団体のホームページ、さらには東京都への情報開示請求によって入手し、財務データ・ベースを構築した。この間、延べで20名ほどの修士、博士課程の学生とともに、公益法人会計について学び、情報を共有したうえで、入力作業を行った。なお、公益法人は現在、新公益法人制度の移行期にあたるため、所轄庁である都庁でもその総数を把握できなくなっており、データベース構築までに約10か月を要した。 3.当チームが作成した評価基準をもとにアンケート調査票をデザインした。なおデザインの過程では、滋賀県、大阪府などの公益認定委員長をつとめる研究者、監督を行っていた行政関係者との議論や助言を受け、公益法人の実態をふまえアンケート票を作成した。2012年1月にアンケート調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は公益法人を対象に調査を行うことを主たる内容としていた。それらのデータベースとアンケート調査は終了することができた。しかしながら、公益法人が移行期にあるために情報収集が困難で想定の2倍以上の時間と人的リソースを投入しなければならなかった。これにあわせてアンケート調査時期が年度末にずれこんだため、詳細な分析は平成24年度になる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度には、公益法人財務データベースおよびアンケート調査データをクロス分析することにより、まず、行政補完型の公益法人の特徴を明らかにする。次に、公益法人財務データベースから、収益事業型の団体を抽出して、収益事業型の公益法人の特徴を明らかにしたい。また、他法人においても、収益事業色の強い法人についてはヒアリング等を通じて、その特徴や運営方針などを明らかにしてゆく。
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Research Products
(4 results)
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[Remarks] 本評価基準を用いた、非営利法人の表彰制度を毎日新聞社との共催、共同通信社の後援で平成23年3月より開催されることになった。
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[Remarks] また、平成23年毎日新聞「新聞時評」において、本評価基準を用いて、新聞による市民向け震災報道の評価を行い評点とその理由を記した。この試みによって、本評価基準が非営利法人のみならず、営利企業やメディアによる社会貢献活動にも適用可能であることが示唆されている。