2012 Fiscal Year Annual Research Report
クロスメディア環境下の消費者によるブランドおよびチャネル選択行動に関する国際比較
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23330143
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
陶山 計介 関西大学, 商学部, 教授 (40154629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 雄也 大阪産業大学, 経営学部, 准教授 (40382824)
加藤 司 大阪市立大学, 経営学研究科, 教授 (50161104)
後藤 こず恵 流通科学大学, 商学部, 准教授 (80461127)
川瀬 雅也 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学科, 教授 (90224782)
大田 謙一郎 長崎県立大学, 経済学部, 講師 (40635512)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | 東日本大震災 / 消費者 / ブランド / 小売店舗 / 国際比較 / クロスメディア / リスクコミュニケーション / コミュニティ |
Research Abstract |
平成24年度前半期では、前年度で実施した日本での消費者定量調査データ、メーカーや小売業に対するヒアリング、消費者・生活者に対するグループインタビューなどによって得られた定性データのより深い応用解析を行い、それらの研究成果を一連の雑誌で発表すると共に、国内では日本商業学会関西部会6月例会、海外では2012 Global Marketing Conference at Seoulなどで学会報告を行った。あわせて前半期にはエジンバラ大学のDawson教授、スターリング大学のBurt教授などから消費者のブランド・店舗洗濯行動や英国やヨーロッパでのNBおよびPBをめぐる競争構造に関してアドバイスを受けたり、またイギリス及びドイツで実施した消費動向や小売企業・店舗の現地視察も有益であった。また9月には中国で次年度実施する予定の調査の下準備ということで、遼寧大学の李四化講師からも同国における消費者の購買行動についてヒアリングを行うなどした。 後半期の研究の中心は何と言っても、英米両国での調査にむけた作業である。先行研究を再度レビューする中でリスクコミュニケーションの見地から理論研究を深掘りする一方、消費者の食生活や食職購買行動に焦点を当てた仮説モデルを再構築しながら、質問項目や回答形式に関する若干の調整を行った。調査票の英訳などそれを完成させる過程では海外の共同研究者の協力も得た。それらについて調査会社と綿密にすり合わせを行った後、両国についてインターネットで実査を行った。そして基礎集計や基本解析についても別の調査会社と数度にわたる議論を経て年度末にかけて完了した。並行して、個人や国別の意識基準のずれがアンケート調査における集計値に曖昧さを残すことを解消するために、そうした曖昧さを極力少なくするデータ処理法を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度交付申請書で提出した研究実施計画では、研究の中心課題として、前年度で実施した日本での消費者定量調査データの解析と英米両国で調査を掲げた。このいずれも年度内に完了したのがその理由である。前者については、解析結果をふまえて国内外の学会で発表も行い、その成果を公表した。これに対する学会での関心もそれなりに高く概ね好評である。ただ研究業績という点では一部論文になっているが、まだ課題として残されている。また英米調査も海外の研究協力者との調整に手間取り、実査が年度末にずれ込んだこともあり、基本集積と基礎解析を終えたのみであり、本格的な解析は次年度に持ち越された。 ただ当初の計画には入っていなかったわが国における消費者のブランド・店舗選択の態様を象徴的に示すものであるPB(プライベート・ブランド)の展開状況と今後の展望については、主要な小売業や食品メーカーへのヒアリングなどを通じて150頁以上のスライドからなるレポートとしてまとめることができた。これも本研究の重要な構成部分をなすものとして意義は大きいと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度前半期では、前年度日英米3カ国で実施した調査結果の本格的なデータ解析を行い、その過程でイギリス・スターリング大学のBurt教授などのアドバイスを受ける。 また同じ調査票にもとづいて遼寧大学の李四化講師の協力を得ながら中国、さらに日本では2回目の消費者アンケート調査を行う。 後半期では、一連の消費者調査の結果をスクリーニングした後、解析作業を多段階的に実施する。そしてこれらの解析結果を当初設定した理論モデルと照合しながら、 国・地域別の消費者購買行動の共通性や差異性をはじめとする関連事実、メーカーや小売業の 「適応」 行動との因果構造に関する理解を得る。 以上の研究計画にもとづき、 東日本大震災後の放射能汚染、鳥インフルエンザ、BSEなど食生活と食購買行動に焦点を当てながら、クロスメディア環境下の消費者によるブランドおよびチャネル・小売業態選択、広告コミュニケーション効果、NB及びPBに関する顧客ロイヤルティ構造、チャネルをめぐるメーカー間、小売業者間、および両者間の競争・協調関係などに関する国際比較分析の結果を整理・集約する。
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Research Products
(11 results)