Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 良巳 大阪経済大学, 経営学部, 教授 (30157101)
堀江 正之 日本大学, 商学部, 教授 (70173630)
浦崎 直浩 近畿大学, 経営学部, 教授 (60203600)
小津 稚加子 九州大学, 経済学研究科, 准教授 (30214167)
坂上 学 法政大学, 経営学部, 教授 (50264792)
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Research Abstract |
本研究の目的は,IFRS(国際財務報告基準)の導入が各国の会計基準,とりわけ中小企業会計基準に与える影響に焦点をあて,「中小企業の属性」と「会計基準の地域性(ローカル性)」をコア・コンセプトとして,各国の会計制度改革のダイナミズムを,理論制度および実態の3側面から調査・研究することにある。第1年度の研究課題と成果は,次のとおりである。 1 第1の研究課題「中小企業版IFRSの理論的分析」(理論研究)では,IASBおよび各国(EU諸国,北米・豪州諸国,アジア諸国)を対象として,本研究の基盤となる中小企業会計基準と会計制度に関する文献研究および面談調査により,本研究課題の基盤整備を図った。 2 第2の研究課題「各国の中小企業会計基準の特質」(制度研究)では,各国の会計制度改革のダイナミズムの実態を分析するため,研究代表者および研究分担者を,各国(EU諸国,北米・豪州諸国,アジア諸国)に派遣することを通じて,各国の研究協力者との連携体制の確立を図った。具体的には,米国,中国,台湾,韓国,オーストラリアの各国に研究代表者および研究分担者を派遣して,実態調査を実施した。 3 第3の研究課題「わが国および主要諸国における大規模なアンケート調査」(実態調査)では,第2年度のパイロット調査にむけて,その事前準備を行った。 4 なお,上記1「理論研究」および上記2「制度研究」については,その研究成果の一部を,国際会計研究学会・全国大会(2011年9月9日,於:東京理科大学),および日本簿記学会・関西部会(2011年5月28日,於:沖縄国際大学)で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1年度は,中小企業版IFRSの特質を浮き彫りにするとともに,研究対象国のいくつかについて,中小企業会計の実態を鮮明にし,当該研究成果の学会報告も一定の評価を受けたことから,本研究は「おおむね順調に進展している」と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
第2年度は,次のような作業によって,研究を推進する。 1 第1に,会計制度変革のダイナミズムを浮き彫りにするため,引き続き,文献収集と実地調査(面談調査)を実施する。特に,第1年度で実地調査ができなかったEU諸国の調査を重点的に実施する。 2 第2に,上記(1)の作業を踏まえ,中小企業会計基準の理論モデル・制度モデルの構築を試みる。 3 第3に,第3年度(最終年度)に実施を予定している実態調査(質問票調査)の準備のために,パイロット調査の実施を試みる。
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