2011 Fiscal Year Annual Research Report
越境する子どもと変容する教育・生活問題-日系南米人、中国朝鮮族、非正規滞在者
Project/Area Number |
23330155
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
田巻 松雄 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (40179883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 秀樹 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (50601407)
スエヨシ アナ 宇都宮大学, 国際学部, 講師 (10431694)
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Keywords | 越境する子ども / 帰国外国人児童生徒 / 外国人生徒の高校進学 / 日系南米人 / 中国朝鮮族 / 非正規滞在者 |
Research Abstract |
越境する人々として、主に、日系南米人、中国朝鮮族、非正規滞在者の子どもたちに焦点を当てる。本研究は、人の越境移動に伴う子どもたちの教育・生活問題の変容を、「不就学」、「高校進学・進路」、「帰国後」といった従来研究が手薄であった側面に着目して把握するとともに、日韓の国際比較と日本とブラジル・ペルー、韓国と中国という送出・受入両地域を視野に入れる手法で実体および問題状況の動態的な把握を目的とする。 平成23年度は、まず、スエヨシ分担者が数年間かけて行ってきた帰国ペルー人児童生徒の調査結果のデータを3人で整理・分析し、今後の調査の内容や方法について討議を重ねた。そのうえで、ペルーに帰国した児童生徒の学校・生活状況および適応・不適応問題に焦点を当てた予備調査を行った。研究代表者と分担者3名がペルー・リマ市に行き、日系人学校で近年帰国した児童生徒の就学状況を見学するとともに関係者から聞き取りを行った。また、日秘文化会館で開催された「ペルー人児童生徒の教育問題」に関するシンポジウムで3名が報告、関係者と情報・意見交換をした。 次に、栃木県における公立の中学校を対象にして、中学卒業後の外国人生徒の進路に関する調査を行った。昨年初めて全県的な調査を行ったが、調査票の内容を改善し、2回目の調査を行った。調査対象は外国籍の生徒および日本語指導が必要な生徒とした。調査は県内教育委員会の協力を得て、調査票を郵送する方法で行った。進路調査のため、調査票の回収時期を平成24年4月とした。現在、調査結果を整理中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「高校進学・進路」と「帰国後」については、ペルーと栃木県をフィールドとする調査でほぼ計画通りに進めることが出来たが、中国朝鮮族については関連研究の整理程度の作業に留まった。学内業務の多忙化で時間の確保が難しいという問題があった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間2年目であり、本調査を実施する年度であるので、詳細な計画を立てて研究を進めていきたい。ただし、昨年度の進捗状況を振り返ると、フィールドワークをすべて3人で行うことは難しいと判断されるので、効果的な役割分担を作って共同研究に臨みたい。
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