2011 Fiscal Year Annual Research Report
グローバルジャーナリズムの報道傾向分析と国際オーディエンス調査
Project/Area Number |
23330164
|
Research Institution | Jumonji University |
Principal Investigator |
鈴木 弘貴 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (40337639)
|
Keywords | グローバルジャーナリズム / グローバルオーディエンス / 内容分析 / オーディエンス調査 / CNN International / BBC World News / Al Jazeera English / NHK World |
Research Abstract |
本年度の課題は、インターネット調査会社を利用したグローバルオーディエンス調査と、内容分析のためのグローバルジャーナリズムの受信設備の整備であった。 受信設備の整備に関しては、今夏、海外の衛星放送を受信できる設備を整備し、4基の大型パラボラアンテナを屋上に設置するとともに、受信機、モニターおよび録画機器をそろえた。成果としては、本研究の対象放送局である、CNN International,BBC World News,Euronews,Al Jazeera English,Channel News AsiaおよびNHK Worldが、鈴木の研究室において24時間体制で視聴・録画できるようになった。録画はすでに一日2回、定時のニュース番組を6局分開始している。 オーディエンス調査に関しては、21年度に実施した学内共同研究による日本におけるグローバルジャーナリズムの視聴者調査の成果を論文にまとめ(「日本における「グローバルジャーナリズム」のオーディエンス像-オーディエンスのグローバル化を論じる手がかりとして」(綿井雅康との共著、『社会情報論叢』第15号、pp.57-79 2012年)、論文化の過程で得られた知見や調査上の反省点をもとに、新たな質問票の作成を行った。質問文および回答選択文のWording等を慎重に検討して練り上げた質問票は、マクロミルによりオランダ語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、ポルトガル語、アラビア語、英語に翻訳され、11か国(BE=ベルギー、EG=エジプト、BR=ブラジル、RU=ロシア、DE=ドイツ、AU=オーストラリア、CA=カナダ、ZA=南アフリカ、IN=インド、PH=フィリピン、JP=日本)を対象に実施し、現在データを集計・分析中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
23年度は、東日本大震災の影響で、年度初めの段階で、交付金額が減額されて支給される可能性があるとの説明があったため、早期に整備する予定であった海外放送受信設備の仕様を夏ごろまで決めることができなかった。このため、機器の整備が年度後半までずれ、その残金の確定を待って依頼する予定であったインターネット調査の規模(対象国数・対象者数・質問項目数など)の確定も年末までずれ込んだ。こうした理由から、内容分析に関しては資料映像の録画は一部行ったものの、本格的な録画作業と内容分析作業が残った。また、オーディエンス調査に関しては、年度内に11か国を対象としたインターネット調査は終了したが、その分析作業が残っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度では、内容分析に関してはコーディング作業と量的分析が中心事業である。すでに録画機器の整備・調整は終え、また本研究課題の実施のために小林直美氏(十文字学園女子大学人間生活学部助手)を新たな研究分担者として迎え入れる予定である。オーディエンス調査に関しては、23年度事業でデータの収集は終了しているため、連携研究者の綿井雅康氏(同教授)とともに統計的な解析を進めていく。 本研究課題の最終年度となる25年度では、質的な内容分析を行う。そのため、元東海テレビカメラマンであった川瀬基寛氏(同准教授)を連携研究者に招き、助言を受ける予定である。
|
Research Products
(1 results)