2011 Fiscal Year Annual Research Report
精神医療現場における多相的コミュニケーションの共創支援~開かれた関係構築に向けて
Project/Area Number |
23330183
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
榎本 美香 東京工科大学, メディア学部, 助教 (10454141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 雅史 清泉女子大学, 文学部, 講師 (30424310)
山川 百合子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (40381420)
松嶋 健 京都大学, 人文科学研究所, 研究員 (40580882)
串田 秀也 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70214947)
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Keywords | 精神医療 / 実践 / コミュニケーション / 会話 / 対人関係 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高次脳機能障害や精神障害などの障害名が与えられた人々(the Communication Challenged;以下CC)と精神医療現場の人々(医師、看護師、作業療法士、家族など)が相互の<やりとり>を多様化することを通じて、参与者全員が共に障害や困難に向き合える開かれた関係性を再構築することにある。具体的には、以下の実践を可能にする多相的コミュニケーション介入の方法を検討する。 1.多声化:様々な立場にある者(例:医師、看護師、研究者など)が参加し、それぞれの立場から柔軟な発言ができる 2.多重化:CCが様々な役割(例:ホスト、講師、面接官など)で参加し、多重の役割遂行を通じて、他者との多様な<かかわり>ができる 3.既存の<やりとり>における自他の振る舞いや参与者間の関係性をメタ的にモニターできる 平成23年度は、多相的コミュニケーションが行われていると考えられる以下の場面のデータを収録し、分析データの整備を行った。 ・リエゾンカンファレンス:アルペンリハビリテーション病院(富山県)、会田記念リハビリテーション病院(茨城県)で交互に開催されるケースカンファレンスであり、病院内の医師、看護師、理学療法士、作業療法士等異職種の人々と外部レビューアとして招かれる他病院の精神科医が1事例について検討する会(2会期分(計約2時間分)) ・デイケア面談:茨城県立医療大学のデイケアで行われた面談(2名計1時間分) ・幻想かるた作成・感想会:水海道厚生病院デイケアでの新たな試みとしてのかるた作り(1時間)・外来診察(対照データ):水海道厚生病院(茨城県)外来診察(53名計約5時間) また、新たな実践として多施設間の職員が参加する「茨城ケア・コンソーシアム」を開設した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度は、多相的コミュニケーション介入方略の立案に向けて、現状の比較的多相的コミュニケーションに近い実践場面を収集することを達成目標としており、様々な場面におけるデータを収集し、書き起こし等の整備を行うことができたため、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに収集したデータにおける多相的コミュニケーション介入(Polymorphic Communication Intervention;以下PCI)の実践程度とそれを構成する多相化要因を抽出し、今後新たに展開すべきPCI方略の立案を行う。
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Research Products
(57 results)