2012 Fiscal Year Annual Research Report
知識基盤社会におけるアカデミック・インテグリティ保証に関する国際比較研究
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23330222
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
羽田 貴史 東北大学, 高等教育開発推進センター, 教授 (90125790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立石 慎治 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助教 (00598534)
佐藤 万知 東北大学, 高等教育開発推進センター, 講師 (10534901)
杉本 和弘 東北大学, 高等教育開発推進センター, 准教授 (30397921)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 高等教育 / 学問の自由 / 産学連携 / 研究倫理 |
Research Abstract |
アメリカ、イギリス、オーストラリア、ドイツ、中国への海外調査とアメリカ、イギリス、オーストラリアからの研究者招聘とセミナ―を開催し、広く学問的誠実性に関する課題と現状を明らかにした。特に、アメリカにおける産学連携のインパクトについて把握し、各国の対応方策を明らかにした。 学問的誠実性への取り組みは、国際共同研究の展開から各国の研究倫理や不正の概念の違いが明らかになり、葛藤と対処の方策が求められており、ヨーロッパにおいては、全学協会が参加した研究倫理に関する行動規範の策定が行われるなど、国際連携が進んでいることが明らかになった。また、OECD・Global Sceinece Forum, World Conference on Research Integrity(1st-3rd),Global Research Councilのように国を超えた持続的取り組みが進んでいる。その結果は、各国の規範と調和しつつ、共通の声明やガイドラインの形成である。 さらに研究不正の定義と防止・告発から、責任ある研究行為の推進と研究倫理教育の普及による防止へと各国とも旋回し、研究なしには研究費申請ができないようにすることも、アメリカをはじめとする資金提供団体の共通する動きとなっている。これらに比べると、日本は大きく立ち遅れている。日本の大学・学会・日本学術会議連携会員に対する質問紙調査を実施し、研究倫理の規範制定状況、現在の取り組みの有効性と今後の課題を明らかにしが、二重投稿について30%しか大学の規範では不正の概念に入れていないなど、大きく立ち遅れがみられる。これらの点を克服していくことが求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初,外国人研究者を招聘したセミナーを開催し,海外の研究動向を反映した調査研究計画のデザインを行い,送付・リマインド・回収を行う予定であったが,平成24年7月、当該外国人研究者の都合により招聘する時期を遅らせる必要が生じた。なお、調査用紙第1次、第2次案は、当初の計画から1人目の外国研究者との意見交換に基づいて策定する予定であったため、2人目の外国研究者の招聘前に策定すること問題がなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
調査用紙の送付次年度4月以降に実施し、速やかに回収及び分析を進めることにした。
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