2011 Fiscal Year Annual Research Report
高校「総合学科」におけるキャリア教育・職業教育の総合的・実証的研究
Project/Area Number |
23330231
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
太田 政男 大東文化大学, 文学部, 教授 (70102192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
降旗 信一 東京農工大学, 農学研究科, 教授 (00452946)
阿部 英之助 東洋大学, 現代社会総合研究所, 研究員 (10408982)
朝岡 幸彦 東京農工大学, 農学研究科, 教授 (60201886)
大串 隆吉 首都大学東京, 都市教養学部, 名誉教授 (70086932)
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Keywords | 総合学科高校 / キャリア教育 / 職業教育 / 青年期教育 / 専門教育 / 中等教育 / カリキュラム |
Research Abstract |
本研究は、1994(平成6)年に創設された高校・「総合学科」を対象に総合的な調査を行い、発足後15年を経た同学科の到達点と全体像を明らかにし、当初の設置目的に照らして歴史的・実証的に検証することを目的としている。 研究初年度は、「総合学科」の歴史的な経緯と全国的な状況を明らかにし、個々の学校の設立過程、教育目標、進路実態、職業教育・キャリア教育の実際などを明らかにすることとした。まず、関連資料の読み込みを通じて「総合学科」の当初の政策的な目的と背景、制度論上の論議、具体的な設立と展開の過程などについて、研究代表者および分担者・協力者の間で、問題意識の共有化を図っていった。 次に、全国334校の「総合学科」高校に対して、学校要覧及び教育課程、「産業社会と人間の教育内容」、「課題研究一覧」など送付の依頼を行った。約半数の学校から返信があり、返信の無い学校に対しては、インターネットなどや個別連絡を通じて資料を入手した。これら得られた資料の分析や教育課程のデータ入力を行い、各学校の系列と実際のカリキュラム運営との完成性などの分析を行った。 また、現地調査も併せて行い、聞き取り調査を行った。実際の教育の取り組み現状での課題やカリキュラムなどの授業運営方法、進路動向などについて、聞き取り調査を行い、資料のみでは見えてこない実際上の課題や問題などについて明らかにする事が出来た。特に、総合学科のカリキュラムの特徴の一つである「産業社会と人間」の取り組みの内容について、データ入力を行い分析もを行った。 今年度は、資料分析とデータ入力そして現地調査を行った事で、より客観的な資料により「総合学科」の現状の把握を試みること出来たと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度に行う予定であった総合学科高校への資料収集を終え、カリキュラムのデータ入力を行い、そして現地調査を行う事が出来た。現地調査に関しては、調査選定やスケジュール日程など余裕をもって実施することが次年度の課題であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究分担者のみなら、研究協力者として高校教員経験者などにも定期的に研究会に参加していただき、より実際上の課題や運営上の問題そして、教育目的と進路動向との「学校と地域」の関連性についても併せてを検証していくことが課題である。すなわち、職業教育・キャリア教育についての知見の蓄積、青年の不安定就労の増加など「学校から仕事への移行」の複雑化・深刻化、「地域と学校」の関連性についての研究などをふまえ、その焦点のとしての「総合学科」研究を進めることも今後の課題である。
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